「「大人とは、抑圧された子どもである」が体現された作品。」別れる決心 えすけんさんの映画レビュー(感想・評価)
「大人とは、抑圧された子どもである」が体現された作品。
男が山頂から転落死した事件を追う刑事ヘジュンと、被害者の妻ソレは捜査中に出会った。取り調べが進む中で、お互いの視線は交差し、それぞれの胸に言葉にならない感情が湧き上がってくる。いつしかヘジュンはソレに惹かれ、彼女もまたヘジュンに特別な想いを抱き始める。やがて捜査の糸口が見つかり、事件は解決したかに思えた。しかし、それは相手への想いと疑惑が渦巻く“愛の迷路”のはじまりだった・・・・・・(公式サイトより)。
子どものころに、気になる異性の気を惹くために、大人では考えられないような行動に出ることがあるが、本作は、大人版のそれ。大人になってそれをやると、サイコパシー的になり、精神に異常をきたし、職務を全うできなくなるのだね。昔の偉い人が言った「大人とは、抑圧された子どもである」が体現された作品。微妙に言葉が通じない設定も良い。
雰囲気のある映像とカット、常に不穏な緊張感が漂う演出は悪くないが、何かが物足りないように感じた。「ビューティー・インサイド」のような出会いのセンセーショナルさ、「ゴーンガール」のようなヒロインの妖艶さ、「アメリカン・ビューティー」のようなコメディさがないので、緩急がついていないのかもしれない。いい大人の肥大化した自我を若干キレイに描きすぎではなかろうかと感じてしまった。
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