「愛はどこに生まれるのか。」別れる決心 文字読みさんの映画レビュー(感想・評価)
愛はどこに生まれるのか。
2022年。パク・チャヌク監督。過去の事件に捕らわれて不眠症の刑事と、事故死した夫の死因に疑いを持たれている妻。次第に惹かれ合っていく二人だが、、、という話。
とりあえずある事件の解決を求めて進行していくのだが、ある結末をみた後、第二章があるのがポイント。愛の芽生えと愛の確認という具合。身体的な関係になっていないのが特徴。夢かうつつかわからない表現も含めて、キム・ギドク監督作品のような風合いがある。
愛の芽生えの段階では、容疑者と刑事だから、「見る―見られる」関係が相互に自然と成り立っている。刑事の側で職業倫理が崩れていく過程が、本人には愛の芽生えの自覚がないまま進行していく。とりあえずそのまま事件は終結する。愛の芽生えより職業や結婚制度を選ぶ形で。
愛の確認の段階になると、もう一つの事件が起こり、刑事の側に愛の自覚が芽生える。職業とか結婚制度とかを超えて、愛が生まれる時は生まれることに今さらながら気づくのだ。遅い。
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