「ヒロインに、ファム・ファタールとしての魅力が感じられない」別れる決心 tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)
ヒロインに、ファム・ファタールとしての魅力が感じられない
タン・ウェイは、良い女優だとは思うが、本作では役柄にマッチしていないと思えてしまった。物語の鍵を握るファム・ファタールとして、主人公の刑事を一目で虜にするような魅力が乏しいし、「魔性の女」といったイメージも感じられないのは、致命的だろう。
2つの殺人事件を巡るサスペンスも、あっと驚くような「衝撃の展開」がある訳ではなく、しかも、やたらともったいぶった描き方をしているので、少々退屈してしまった。
ヒロインの最後の選択も、永遠の存在になることを望んだ結果だろうが、それでも、どこか取って付けたようで、今一つ、共感できなかった。
映像としては、張り込んでいる相手に主人公が寄り添うような描写があったり、死人の視点やスマホ画面の裏側からのシーンがあったりと、色々と工夫が凝らされているものの、期待していた「どぎつい」描写は鳴りを潜めていて、全体的におとなしい印象で、その分、物足りなさを感じてしまった。
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