「高潔な人生を」アルマゲドン・タイム ある日々の肖像 MARさんの映画レビュー(感想・評価)
高潔な人生を
裕福ではあるものの居心地の悪い家庭に悩むおじいちゃんっコのポールが、黒人の友達と些細な悪さをしたことから暮らしが大きく変わっていき…といった物語。
強いメッセージ性を感じる作品ではあるものの、前半はちょっとイライラタイム。差別は勿論ダメだが、シンプルに態度が悪いし大人をからかうし…。
ポールも悪ガキそのもの。親がPTA会長だとイキり、注意されてもヘラヘラした表情がやや鼻につくw両親も両親で色々とね。。
そんな中、唯一の良心はおじいちゃん。
両親のように価値観を押し付けず、ポールを理不尽に叱りつけることもなければ、それでいて決して甘やかしている訳でもなく。癖の無い愛情ですね。
そんなおじいちゃんに愛されてか、優等生でなくとも、差別や偏見の目を持たずジョニーと仲良くする姿は良いですね。母を気遣う優しさも◎。
それもこれも、ユダヤ系として少なからず差別されてきたおじいちゃんの教育があってからこそですね。とはいえ、やり過ぎに見えるお父さんも実は人種や宗教とは違う差別の辛さを知ってるからこそ…ポールへの接し方も、形の違う愛情なんですよね。ちょっとグッときた。
そしていよいよ始まる冒険!!
…って言っても、そりゃそうなりますわなぁ。
ここの友情は目頭にくるものがあったけど…キレイ事抜きに車でのお父さんの話がハッキリ言って人生の核心ですよね。決して良い話では無いけれど、誰が否定できよう。
それでも、まだまだ子供で純心の残るポールはどう思ったか?
この結末は果たして…⁉といった印象もあるが、ポールは何を思い歩を進めるのか、答えが出るのはまだまだ先でしょうね。
そんなこんなで、前半はややノれなかったですが、中盤から追い上げ最後にはしっかり心に訴えてくる、そんな作品だった。