「負の感情が連鎖しない」CLOSE クロース ひでちゃぴんさんの映画レビュー(感想・評価)
負の感情が連鎖しない
13歳のレオとレミは大親友で、しょっちゅうレオはレミの家に
泊まりにいくほど、家族ぐるみでの仲の良さなのだが、
この二人の仲の良さを学校でからかわれて、
レオがいじめ的な扱いを受けるようになり、
レオは自身を守るために、レミにそっけない態度をとるようになる・・。
レオとレミに「二人はつきあっているの?」と問う早熟の女子や、
いかにも子どもっぽくからかう男子がリアルで、
そこから脱却するために、
レオが行動を変えていくという心理は誰もが理解できるはず。
(こういうことが大人社会でも起きていないかハッとさせられた)
中盤、レオには耐え難いショックな出来事が起きるが、
それでも淡々と日常を過ごしていく姿はどこか痛々しくもあり、
やはり時折見せる後悔の念と、そこに背中を押されたラスト近くの
シーンは猛烈に感動できる。
そして劇場内はすすり泣きの大合唱となった。
特に本作における大人の子どもへの包容力は目を見張るものがあり、
負の感情の連鎖にならないところが本当に素晴らしいと思った。
舞台となっているベルギーの花畑が素晴らしく美しく、
また、映画における画質/画面の色味も素晴らしい。
第75回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で見事グランプリを
受賞した本作。
確かな傑作であることは間違いない。
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