「混沌とグロテスク」クライムズ・オブ・ザ・フューチャー 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
混沌とグロテスク
印象を一言で言うとしたら、得体の知れないドス黒いもの?
カンヌに出品されて席を立つ人が続出!
確かにタキシードとロングドレスに着飾った観客の
目を背けさせるに十分なグロテスク!!
その部分の映像は
《プラスティックを食べる少年の解剖》
カプリース(レア・セドゥ)が冷蔵された遺体を一目見て、
「とても無理!!」
そう言ったほど、あどけなく無垢な美少年の裸体。
母親にその悪食を嫌悪され殺された少年。
少年がプラスティックやその類を好んで食べる事を忌み嫌った母親に
枕で窒息死させられた。
父親はそれを解剖ショーに出品するのだ。
背中から《サーク解剖モジュール》の4個のアームが
ブレッケン(少年)の内部を切り広げると、
黒々と光り炭化したおぞましい内臓がギッシリと詰まっている。
更にそれを映像に拡大して見せる・・・
(席を立つガタゴトした音と、紳士・淑女たちの嫌悪の表情が
(見えるようだ。
(取り出して置かれたそれは、たどんorうんこor手榴弾)
【近未来】
パフォーマンス・アーティストのソール(ヴィゴ・モーテンセン)と
パートナーのカプリース(レア・セドゥ)のショーは人気を博していた。
ソールが生み出す新たな臓器をカプリースがタトゥーを施して
摘出するのだ。
(これはなかなか面白いショーだ)
まず第一にキャスティングに惹かれました。
ヴィゴ・モーテンセン。
レア・セドゥ。
クリステン・スチュワート。
黒いマントを身にまとったヴィゴ。
拷問具のようなベッド(オーキッド・ベッド)は、鳥の巣に似て
更に心臓のようなハンモックに寝て、不眠。
食事を困難にしてるとしか思えない、
ブレックファースター・チェアに羽交締めにされてる。
デヴィッド・クローネンバーグは嫌いではない。
「ヒストリー・オブ・バイレンス」と「スキャナーズ」が特に好き。
「危険なメソッド」と「マップ・トゥ・ザ・スターズ」も偏愛してる。
「旋律の絆」は狂気、「裸のランチ」は好き嫌い言うより、訳わからん。
産業廃棄物を食する種族が居るくらいだから、
食べ物も枯渇した終末期のSF?
レア・セドゥは裸になることになんの抵抗もない女優らしく、
全裸を披露(ヘアヌードとありましたが、配信は“ぼかし“でした)
(本当に見事な肢体を惜しげもなく・・・)
彼女は演技力も存在も美貌も度胸も備えてるので現時点で無敵。
クリステン・スチュワートはヴィゴの虫歯を数えてるのかと
思ったらキス・シーンに変わる。
「古風なゼックスは苦手」と、ヴィゴ。
クリステンはやはり魅力的。
映画は特に感動もなくアートな袋小路。
皮肉も散見して、
「内なる美」と聞くと「精神的美しさ」と普通連想しますが、
「内臓の美しさのこと」だったり、
「オディールのショー」って
「ディオールのショー」の語呂合わせ?
もっと沢山あったかも知れないけれど・・・忘れました。
《地球の未来に警鐘を鳴らす》
的な生真面目さは微塵も感じられない。
《好きなことを好きなようにやった作品》
イヤーマン(耳男)のダンスシーン、
これは傑作!!
一番気に入ったシーンでした。
おはようございます!
こちらこそいつもありがとうございます。あと、いつもふざけすぎちゃっててすみません(笑)全てネタと思って見てもらえると助かります。
素の人間はこんなんじゃないので。
今年もよろしくお願いします。