リバー、流れないでよのレビュー・感想・評価
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ロケーション勝ちの低予算タイムループ映画
かなりの低予算で作られた映画としては、良く出来た作品だったと思う。こういったタイムループものかつ低予算作品では多いワンシチュエーションコメディではあるが、舞台となる旅館の中にとどまらず、向かいの離れや、建物沿いを流れる川の土手、更には旅館から少し離れた神社の境内など、行動範囲が広がっていくのは面白かった。旅館の構造や周辺敷地の高低差の特徴を生かして、建物の内外で階段を登ったり降りたりを繰り返すアクションが、展開を大きく躍動的に見せていて、観客側も息切れするような不思議な快感をもたらしてくれた。このロケーションがクオリティをかなり引き上げたと思うから、ロケハンスタッフを賞賛したい。同じ時間を繰り返しながらも季節だけは進んでいく設定も楽しかったのだが、あの雪はリアルに降っていたのか?降らせたのか?
「明日なんて来なければいいのに」という、主人公にとっては半ば怨念のような感情がタイムループのトリガーであると、登場人物達も我々観客も勘違いさせられるのだが、誰しもが共感する気持ちなだけに、そうは言っても5分毎に繰り返すくらいだったら明日が来る事を受け入れたいなと、ある意味ポジティブな気持ちにさせられた点もよかった。
昨年(2022)の映画「MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない」や、今年(2023)のドラマ「ブラッシュアップライフ」を見ていない自分だったら、もっと面白いと思えたかもしれない。
コメディ劇団ならではの"楽しい"映画?かな
「ドロステのはてで僕ら」(2020年)も、
そうだったけど、
今回も、企画に🌸◎!
加えて、編集、カメラワークが、秀悦!
天候の急変(雪❄️)をも、巧みにストーリーに
盛り込んでいる。
撮影は、☀️、☁️もそうだし
🕐🕒との勝負のはず!
現場での
スタッフ全員のドタバタ感が目に浮かぶ
😂😆
タイムリープごとに同じ設定で別の味
2分のワンカットを何度も繰り返す
タイムリープなので同じ設定だが、
同じ2分間は1度も無く、どれも別の味がする
登場人物の行動も、終わり方も、さすがでした
日々生活していて、今ここが急に自分の初期位置になったらどうするかとか考えたりして気になって楽しい
上田誠の発想力
本作品は、京都貴船の老舗旅館を舞台に2分間のタイムループが巻き起こすコメディです。毎回、ヨーロッパ企画の上田誠の発想力の素晴らしさに感嘆します。特に、ループはするけど、人の記憶と感情は継続するところが非常に面白く、それが故に次々と事件が勃発します。見れる映画館は、そんなに多くありませんが、全国のミニシアターで上映してくれるといいです。ミニシアターに最適な映画なので。
アイデアを活かしきった快作だが、タイムループの「効用」が今一つ伝わってこない
タイムル゙ープそのものに目新しさはないが、その間隔が2分ということと、当事者全員がタイムル゙ープ前の記憶を保持しているというところがポイントか。
ループする各ターンをワンカットで撮影しているのが効果的で、短いようでいて、ある程度のことはできる2分間という絶妙な時間を、肌感覚で認識することができるようになっている。
さすがに時間を測ることはできなかったが、どのターンも、きっちり2分間で撮影されているはずで、決められた時間内で一つ一つのエピソードをまとめ上げたスタッフとキャストの苦労は想像に難くない。
繰り返されるワンカットのおかげで、舞台となる旅館の間取りと、その周辺の地理的な状況がすっかり頭に入ってしまい、撮影地を訪れてみたくもなった。
撮影時に、晴れていたり、雪が降っていたり、雪が積もっていたりしていたことを、「時間軸の違い」ということで誤魔化していたが、かえって冬の貴船の景色のバリエーションを楽しむことができて、それほど気にはならなかった。
一方で、当事者たちの記憶が残っているという設定は、一致協力してタイムループに対処しようという目的意識を早くから明確にし、物語をテンポよく推し進める効果を上げている。
特に、タイムループが始まってから、全員が状況を把握するまでのやり取りは、そのドタバタぶりを存分に楽しむことができる。
仮に、よくあるタイムループもののように、主人公だけが記憶を留めていたならば、それこそ短時間で同じようなことが延々と繰り返されるだけで、観る方にもフラストレーションが溜ったに違いない。
時間が巻き戻っても、登場人物たちの物語が進展し、それぞれの関係が深まるのも、記憶が継続しているからこそである。
ただし、そうした進展が、タイムループがあったおかげかと言うと、小説のネタを手に入れた作家を除いて、必ずしもそうとは思えないのところには、物足りなさが残る。
特に、物語の中核をなす仲居の女性と板前の男性のラブストーリーは、限られた時間内での逃避行やデートによって互いの理解が深まったのは間違いないだろうが、もともと親密な関係だったようだし、別にタイムループがなくても、そうなったようにも思えてしまう。
例えば、タイムループ前に、2人の関係が悪化していたことが描かれていたならば、タイムループを経験したからこそ2人が前向きになれたということが、より明確になったのではないかと、少し残念に思ってしまった。
楽しい。
楽しい。ただ楽しい。
2分ごとのタイムループというミニマルなセッティングと貴船という土地柄を活かしてなにが出来るかとことんまで追求している。
我々観客はみことちゃんと共にだんだん楽しくなったり、切なくなったり、それがやはり楽しい。
冒頭のセッティングも丁寧なので逆に読めちゃうところもあるし、「いやいや、飲み込み良すぎるだろ!」ってところもあるが、なにせ楽しい。
同じくヨーロッパ企画の大傑作「サマータイムマシン・ブルース」を想起させられる。
好き…
SすこしF不思議な タイムリープコメディ映画
2分のタイムリープを36回、しかも、長回しで実際に測りながら撮影しているというこの作品、もはや新しい映画の手法だと思う。
そんなにマニアックなタイムリープモノなのに、笑えてちょっぴりグッとくる。
しっかりエモい作品に仕上がっている。
ヨーロッパ企画上田誠さんの脚本技が光る。
わずか2分、されど2分である。
劇団の真骨頂を見せてくれる、ヨーロッパ企画役者さんたちの演技が抜群によい。貴船ふじやという箱庭の中で、まるで舞台を観ているようだ。
2分を繰り返しながら、すこしづつ前に進む感じもよく、いつしか彼らを応援している自分がいる。
「あ〜あ、もう2分たっちゃうよ、ほら〜」
ってつぶやいちゃう。
京都貴船というロケーションも最高によい。
京都の劇団だからこそ、できた協力体制だと思う。
大雪という自然も加わって、まさに奇跡の映画になった。風景だけでもすごい。
この辺は、長回しも含めて前作のドロステから続く、山口淳太 監督の腕も確かだ。本当に完成して良かった。
なにより、視聴後感がとてつもなく良い。
(これ、僕が映画を作るときに、一番優先していたことなのだけど。)
SF物にありがちな、難しさはこれっぽっちも感じないのだ。
最後まで観ると、なぜ、2分がループしていたのかがよーくわかる。
「ああ、そうだったのか!」
となる、このなるほど感、これが大事だと思う。
ダメな作品って、観客置き去り設定ってよくある。そういうのが全然感じられない。
素晴らしい👍
この辺は、サマータイムマシンブルースやドロステなど、時間設定を作り尽くしている上田さんだ。
あえていうなら、
SすこしF不思議な
タイムリープコメディ映画だ。
上田さんのF先生リスペクトは、前作のドロステを観るとよーくわかる。
もっともっと広がって欲しい。
まだの方は是非とも一度観てほしい。
そして最後に一言だけ、
久保史緒里ちゃんが良いー😆
観た後に理解してね。
「みた?」「みた、みた!」という映画
上田誠さんの技が冴えてるね。
2分間でタイムループするんだけど、登場人物全員にタイムループした感覚が残ってるのが発明だね。
その設定で何を描くかというと、主人公の恋愛がメインになってくる。
周りの人の変化も少し入れて。
「タイムループするって分かってたらこうだろう」っていう小技がだくさん出てきていよね。
ラストでタイムパトロールの女の人が縁結びのお守りを見せるけど、あれは「地球と月の遠距離恋愛がうまくいくように、日本とフランスの遠距離恋愛を成就させた御先祖様のエピソードにあやかってる」っていう表現に見えたな。《四畳半タイムマシンブルース》だね。
《カメラを止めるな!》以降、「新しい構造の作品を観たい」という要望が多くて《ドロステの果てでぼくら》《MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない》なんかが出てきたね。
それぞれ面白いから観るというのもあるけど、「みた?」「みた、みた!」と言うために観てるところもあるね。
それが新しい鑑賞体験として良いのかどうかは、少し気になったよ。
可愛らしい映画
上映規模が非常に小さい割に評判は良いこともあって、日曜の名古屋市内の劇場はほぼ満席だった。
他人の笑い声が気になるタチなので、コメディタッチの作品は苦手、という前提で感想をお読みください。
2分という短いタイムループで、当事者達が全員それを自覚している・記憶が残るという辺りや、「次のターン」「初期位置」という言葉のチョイス含め、前半は多少興味をひかれた。
ただ、最終的に私には「それだけ」って感じ。
演劇が元にあるということもあってか、いかにも、なコメディ…というかコント的演技が気になってしまうし、ループによって雪が降り出したり積もってたり全然寒そうに見えなかったり、と順不同。作中では「世界線が違う」っていう程度の説明があるけど、これが物語として意図されたものなのか、ただの撮影中のアクシデントなのかもよく分からない(多分後者なんだろうし、それも「オモシロ」の一つとしてアクセントになると踏んでたんだろうけど)。私にはこういうコトがすごくノイズになった。
主人公と逃げ出そうとする調理師の男性が「フランスに行きたい」って話、特に具体的な説明もないけど、結局この物語の謂わば発端なんだから、もう少しちゃんと丁寧に描写してくれないと、この二人がただ混乱を招いているだけに見えてしまう。(冒頭で「何かある」と匂わせてるだけに、その後を丁寧にして欲しかった。)
全体的に、この作品では登場人物がそれぞれ「この人はこういう役割」みたいな『型』を演じているだけで、そこに「人間がいない」感じがして、起きるコトも一つ一つが単なる「シーン」として消化されていく。結果として私は誰にも心を寄せることができなかった。
あの冒頭に出てくる美少女も、もう少し出し方があったんじゃないかなあ。
あんなに印象的に登場したら、「いつ出てくるの?」って思って待つのが当たり前で、そうなると今目の前で進んでいるドラマが軽視されてしまう。
「彼氏が○○にいて…」
こういうところのチョイスも、個人的にはセンスが古いと感じる。
せっかくの「貴船神社」ももっと生かせたんじゃないかな。
幸い、主人公の女性が憎めないタイプのキャラクターだったので全体を緩和してくれてたし、そのお陰で「可愛らしい映画だな」って印象にはなっている。
決してつまらないとは思わない。
長尺のコントドラマを観るつもりだったら楽しめそう。
上田誠はまだまだループすると思う
面白かった。いわゆるエンターテイメント自主映画なのだと思うけど、タイムマシンもの含めて「時間を繰り返す」ドラマは日本一、いや世界一こなしているはずの上田誠が京都を舞台にまだこの手もあるよ、とあえて自主映画スタイルで臨んでいる感じ。
なんといっても、メインとなる旅館、川、神社、半径50メートル?くらいの起伏を使って飽きさせない。この手のものなら屋外やらないほうが整合性つけやすいのにあえてか道を挟むあたりが気軽さを感じる。というか、その場所があったから発想されたストーリーというか。みんなで楽しく作ってる感じもよかった。
鞍馬からタイム・ループが出でまして、なお苦労放題…
タイム・ループするにことかいて2分とは!「ドロステ」も2分だったし、何かこだわりがあるのだろうか。カップラーメンにお湯を入れても、できあがらないうちに元に戻る短さだ。
ヨーロッパ企画の上田誠氏は時間SFがよほどお好きらしく、名作「サマータイムマシン・ブルース」がその代表だが、あちらに比べると「ドロステ」も今作もこぢんまり感は否めない(時間的かつ空間的かつキャスティング的に)。でも、突拍子もないアイデアにこだわっているところは嬉しいし、今後も追って行きたい。
ヨーロッパ企画の舞台も何度か見に行ったけど、こうして映画のフィールドに手を広げることは、一般の人にとって接する機会が増えるのでどんどんやればいいと思う。
たるいオープニング
面白かったですよ。
ただ、あのたるーいオープニング。
人物紹介なのはわかるけど、それにしては、たるかった。
すぐ「ループのシーン」からでも皆んなのキャラ、わかるけどなー。
最後、実は、、、、のオチが欲しかった。
ループ酔い
ヨーロッパ企画が大好きなので、舞台も映画も欠かさず観るのですが、ここ数年の上田さんの脚本は、ちょっとループが過ぎます。
面白いし大好きだけど、今回は映画としてまとまってた感あったけど、それでもちょっとループ酔いしそうです。。
されども、理子さんのお声や演技は可愛くていつも素敵だし、いつメンの呼吸もさすがです。
ヨーロッパ企画の次のステージ(舞台という意味ではなく)が見たい!
声出して笑った!舞台のような映画です。
「カメラをとめるな」「エブエブ」のように、あんまり深く考えず、流れに乗っかって楽しむ映画かと思います。
出演者の皆さん、本上さん以外お初でしたが、皆さん芸達者なのは分かります。
舞台俳優さんかな?
2分間のループでどこまでできるかという意欲作。
ブレーンストーミングでアイディアを出し合ったのでしょうか。
シチュエーションは戻るけど、記憶はそのままという設定が面白い。
人間、追いつめられると、色々やらかしちゃうなあ。
シアター内はリラックスしていて、開始15分くらいから笑い声があちこちから。
私も、声出しOKの応援上映以外では、久々笑ったりツッコミを入れました。
コロナの時は、上映して下さるだけでありがたい、コメディでも息を殺して観てましたから。
ヨーロッパ企画さん、舞台も上演していると帰宅後に知りました。
一度、舞台を観てみたい。
そう思わせてくれるほどには、出演者の皆さん、魅力的でした。
映画の舞台である貴船は、1年通して本当にいい所なので、一度足を運んで下さいませ。
今なら、竹の流しそうめんや川床など夏の風情満点です♬
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