リバー、流れないでよのレビュー・感想・評価
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笑い声の絶えない映画館
なんでこんなことに、そしていつこれ終わるんだ
天気はループさせられず
ヨーロッパ企画関連のタイム○○ものの作品は劇場・配信で観ているが、毎度毎度よく考えるよ、と思える一本。タイム○○ものはタイムパラドックスの辻褄合わせが気になるところだが、そこをメタ的に話に取り込んだネタにしているため、細けぇことはどうでもいいんだよ、という感じがして、爆笑とはいかずともゆるく笑える。
また、舞台劇な設定で役者を動かし、同じシチュエーションのワンカットを何十回と繰り返し撮影している舞台裏を想像すると、ほんとによくやるよ、と感心しきり。さすがに飽きがこないわけではないのだが(比較するのもなんだけど)時間逆行のTENETよりはるかにわかりやすいし、86分なら許せてしまう。
昨年のMONDAYSといい、アイデア勝負の低予算作にはタイム○○ものは相性がいいんだろう。今後は似てるけど微妙に違う世界というマルチバース設定でもいけそうに思う。
詳しくは次のターンで。
舞台が貴船神社だから見に行った
見に行く前日にこの映画の存在を知った。2分間のタイムリープ物?こんな設定あり得んぞ!
しかし見に行くことに決めたのは舞台が貴船神社と言うのが個人的に惹かれたからだ。
コロナ禍の1年前に京都縦断日帰りドライブで最後に寄った場所で土地勘が多少あったし、凄く魅力的で印象に残った土地だった。
とても狭く高低差のある地形のため、面白い話しになるのではないかなとの想いもあった。
ハズレの少ないタイムリープ物ではあるが、今迄のタイムリープ映画とはひと味違う万人が楽しめる作品となっている。
2分経つと初期地点に戻るが記憶は継続してると言う設定が妙である。
先ず、たった2分の繰り返しで何が出来るのかと。最初は大丈夫か?と変に心配してた。タイムリープする度に時間軸が違うのか、晴れの日や雪の日と天気が変わっていたりする。それに次から次へと色んな人が色んな事をやらかして闇鍋状態になっていく。各ターンで雪だるまのように問題が発生していくのを果たして無事にタイムリープ事件は解決するのか。
2分間の繰り返しだけで約90分の作品を上手くハッピーエンドに仕上げたスタッフに感服。
貴船神社とその前の旅館が主な舞台で馴染みのない出演者(女将役の本上まなみと作家役の近藤芳正しか知らない)や天気を気にしない演出など小予算で製作された映画なのだが、何億とかけた大作よりも面白かった。
良作
単純に面白かった。時間がループしているが、記憶は受け継いでいると言う新しい視点が秀逸で最後は全員がハッピーに終わる所が大変良い。シナリオが良ければ低予算でもいい映画が出来る実例の様な作品。ちょっとだけ、雪の景色とあの物理学者のような板前さんには違和感があったが…それも愛嬌で良いでしょう。
2分のタイムループの中で、パニックも恋愛も超能力もSFも。
猟奇的な彼女
藤谷理子が魅力的だった
京都・貴船の老舗料理旅館「ふじや」で仲居として働くミコトが貴船川のほとりに立っていて、中に入り、男性従業員と客間の片付けをしたところで、なぜか先ほどと同じ場所に立っていた。ミコトだけでなく、他の仲居、料理人、女将、宿泊客たちも同じ時間がループしていることに気づいた。2分経つと時間が巻き戻り、全員元にいた場所に戻ってしまうが、記憶は引き継がれていた。人々はタイムループの原因究明に乗り出し・・・無事解明されるのか、という話。
13時56分20秒から58分20秒の2分間のループで記憶が残っているというのは新鮮で面白かった。
ただし、撮影場所を貴船の料理旅館にしたのは良いが、冬にしたのは意味があったのだろうか?途中から突然雪景色になり違和感を感じたのは自分だけ?言い訳っぽく時間は戻るが景色は変わる、みたいなセリフがあったが、それじゃあ2分前に戻る、じゃ無いよな、なんて思った。ま、面白かったから些細な問題なんだと思うが。
ミコト役の藤谷理子の表情や声が魅力的だった。彼女の実家が撮影場所のふじやというのは偶然じゃ無いのだろうが、中居役がすごく似合ってた。
謎の女性ヒサメ役の久保史緒里はやっぱり可愛かった。
何度でも観たくなるような会話劇、面白かった。
奇妙な設定と自然な反応のギャップ
評判が良くてずっとみたかった本作、ようやくテアトル新宿でと思ったら偶然出演者によるアフタートーク回に当たってラッキー。まとまりのない(笑)楽しいトークでした。
映画はループ、それもたった2分間というステキな設定を存分に楽しんだ。途中川を渡ろうとか川上川下にとかちょっと無駄足も挟んだ感、また低予算なるが故の天候の乱れなどもあったが、主人公始め憎めない良い人たちの素直で自然な右往左往。特に主人公が2回くらいループしただけで事態を受け入れてしまうあたりがオカシイ。あとで謎解き的な展開もあるが。
九十分ていうのがまたいいよね。
【京都のパワースポット貴船神社前の”時を止めたい人”が多数いる老舗旅館で突如起きたタイムループドタバタ劇。】
ー 貴船の老舗旅館「ふじや」(実際にあります。)に勤める仲居のミコトは突然、2分のタイムループの輪に取り込まれる。-
◆感想
・2分のタイムループの輪に取り込まれる人々。
1.猪鍋から締めの雑炊を食べていた男二人組・・延々と雑炊を食べる羽目に。クスクス。
2.締め切りに追われる作家(近藤芳正)と、編集者・・締め切りが無くなった作家は喜び、挙句は「一度死んでみた」までやる始末。
3.編集者は風呂から出られなくなり、シャンプーを頭に付けたままウロウロ。クスクス。
4.ミコトと番頭は、片づけを延々と繰り返す。クスクス。
5.女将(本上まなみ:東京から京都に居を移した美しき女優。ファンなので嬉しい。)は周辺の様子を伺う。
ー 序盤は、劇場のあちこちから笑い声が上がる。-
・ミコトが料理人のタクがフランス料理修行に行くことに心を痛めており、貴船の水神様に時を止めるように祈っていた事が分かる辺りから、少し流れは変わりミコトとタクの”恋の逃避行”になっていくのである。
ー 笑い声が無くなる。観客は正直である。-
・そして、タイムループが起きた真実が分かるシーン。
ー いやあ、あのボロッチイ飛行船は脱力したなあ・・。しかも動かし方も脱力・・。
確かに序盤、あのアイドルさんも微妙に宇宙服みたいな恰好で、”エンストしちゃったんです。”と訪ねて来ていたなあ。上手く纏めた・・のかな。-
■ヨーロッパ企画の上田誠さんの京都を舞台にしたタイムループ作品に拘る姿勢は、何か好きだな。
<今作は、中盤前まではナカナカ笑えたが、後半徐々に雰囲気が変わった気がした感がある作品。タイムループものって難しいよなあ。(延々と同じ舞台でやってると、客は飽きる)
序に言えば、今まで曖昧だった、タイムループとタイムリープの違いは良く分かりました。>
<2023年7月30日 先週金曜日のNHKの東海どまんなか!「アフターコロナで激変!?シアター活用術」の所為か知らないが、私にとっては過去最高の客の入りであった刈谷日劇にて鑑賞。良かった、良かった。>
ループして記憶あるとこうなるね。
京都では何が起こってもおかしくない。
究極のタイムループ物
昨今はこうしたタイムループ物の作品も色々とあって、どうしても既視感が拭えなくなってきたが、本作はたった2分という限定された時間に目を付けた所が新鮮だ。
延々と繰り返される2分間という時間に閉じ込められた登場人物たちの右往左往が軽快に描かれていて飽きさせない。
原案、脚本を務めたのは劇団ヨーロッパ企画の上田誠。彼は「四畳半タイムマシンブルース」や「サマータイムマシン・ブルース」といったタイムループをネタにした作品で原案、脚本を務めており、この手のジャンルを得意としているのだろう。今回もツボを心得た笑いと軽妙な展開が冴えわたり、十分に楽しめる娯楽作に仕上がっている。
しかも、このタイムループはシチュエーションはリセットされても夫々の意識がリセットされないというのがミソで、それによって妬みや遺恨を募らせたりするから質が悪い。単に同じ時間を繰り返しているわけではなく、ちゃんとその中でドラマが進んでいるあたりが実に上手いのである。
たとえ時間は戻せても人間の感情の移ろいは修復できないという、何だか哲学めいたメッセージも感じられた。
そんな中、本作のメインとなるのは仲居のミコトと料理人見習いのタクのロマンスである。永遠に終わらない2分の中で、二人は普段は口に出来ない思いを言葉にして伝えあう。これが非常にチャーミングな恋愛談になっている。
そして、ラストのミコトの表情が非常に印象的だった。彼女の複雑な胸中を察すると何だか切なくなってしまう。
その一方で、このタイムループでは恐ろしいことも起こる。締め切りに追われる小説家の苦悩や、山から出られなくなってしまった猟師の絶望、厨房の惨事等。全体的にライトに描かれているが、もし現実にこんなことがあったら、やはり人は狂ってしまうのだろうなぁと思ってしまう。
全編90分弱というコンパクトな作品なので、事件のオチや、要所の問題解決で物足りなさを覚える部分もあるが、サクッと観れてスキっとできる快作である。
尚、個人的に最もツボだったのは風呂場の編集者だった。ずっと髪の毛にシャンプーの泡がついたまま奔走する姿にジワジワと笑いがこみ上げてきてしまった。
タイムマシーンの呪縛
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