劇場公開日 2022年7月9日

「【”底辺に流されて行く私の人生・・。”WANDAを演じたバーバラ・ローデンが、WANDAと被って見えた作品。WANDAの俯く瞬間を切り取ったフリーズフレームのラストショットは、忘れ難い作品である。】」WANDA ワンダ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5【”底辺に流されて行く私の人生・・。”WANDAを演じたバーバラ・ローデンが、WANDAと被って見えた作品。WANDAの俯く瞬間を切り取ったフリーズフレームのラストショットは、忘れ難い作品である。】

2022年9月11日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

難しい

ー 資料にも記載されているが、バーバラ・ローデンは、今作で主演、脚本、監督を担当し、1970年、ベネチア国際映画祭で外国映画賞を受賞するも、米国映画界では評価されず、今作から10年後、一作も映画を制作する事無く、僅か48歳で癌で世を去っている。
  今作を観ていて、どんどん底辺に流されて行くWANDAの人生がバーバラ・ローデンの人生に被って見えてしまった作品である。-

◆感想<Caution! 内容に触れています。>

・冒頭から、WANDAは人生に諦観したような態度をとる。夫から離婚を申し出されても、表情を変えずに了承し、子供はどうするという問いにも、”夫の再婚相手に育てて貰った方が良い”と淡々と話す。

・彼女は当てもなく、彷徨い町のバーで、強盗をしていたデニスと出会い、流されるように彼と行動を共にし、ついには銀行強盗に加担する。
ー デニスの言いなりになって、食料を買いに行ったりするWANDA。何処か切なさを漂わせた表情を屡浮かべながら・・。

<取分け、デニスが銀行強盗に入るも、自分が途中で交通違反で警察に捕まり助力できないシーンでの彼女の泣き出しそうな、哀切な表情は印象的だ。
 更に、全然楽しそうでない知り合いとの飲み会でのWANDAの哀切な表情と、俯く瞬間を切り取ったフリーズフレームのラストショットは、忘れ難い作品である。>

<2022年9月11日 刈谷日劇にて鑑賞>

NOBU