「モガディシュの再現度と黒人俳優の存在感に韓国映画の力量を感じる」モガディシュ 脱出までの14日間 tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)
モガディシュの再現度と黒人俳優の存在感に韓国映画の力量を感じる
南北分断という政治状況をベースにした一級の娯楽作品であるが、よくぞ「ソマリア内戦」というネタを見つけてきたものだと、その企画力と取材力に感心させられる。また、現地でロケをしたかのように感じられるモガディシュの街並みの再現度の高さと、内戦の描写の臨場感にも目を見張らされる。
そして、極めつけは、現地の大人や子供を演じる黒人俳優の演技のリアルさ!日本映画では一番違和感を覚えてしまいそうな部分を、易々とクリアしている韓国映画の力量を、改めて感じてしまった。
終盤のカーアクションは、この映画のクライマックスであるが、その前の、自家用車に応急の防弾措置を施す場面も画期的で、緊迫感を盛り上げていた。そして、銃撃が発生してからの迫力あるカメラワークと手に汗握るアクションは、まさに見せ場の連続となっている。ただ、あれだけの銃弾を、あれだけの措置で防ぎきれるとは到底思えず、その結末には不自然さを感じてしまった。アクションを盛り上げるのはいいとして、さすがに、一人や二人は銃創を負うぐらいのリアリティーがあってもよかったのではないか?
それに続く空港での別れのシーンが切ない余韻を残すだけに、クライマックスでの「やり過ぎ感」がやや残念だった。
コメントする