あなたの顔の前にのレビュー・感想・評価
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これも合わなかった
長い間アメリカで暮らしていた元女優のサンオクが韓国に帰国し、妹ジョンオクのもとを訪れた。ずっと疎遠になっていた家族と再会するサンオクだったが、帰国の理由を明かさず、思い出の地を巡り、過去と向き合いながら、心の拠りどころを見いだしていくサンオクの様子を描いたもの。
しばらくはその前見た作品同様なんのこっちゃ、だと思ってたが、なんの病気か知らないが余命半年で故郷に帰りたくなったんだな、と最後の頃にわかる。
サンオクに感情移入出来ないから余命半年とわかっても悲しくないし、そうなんだ、と思う程度。
イントロダクションよりはましだが、やっぱりこの監督の作品は合わない。
つまらなかった。
【中年女性が抱える心の深遠を追求し、想い出の地を巡り、捨て去った筈の過去と向き合って行く姿を描いたヒューマンドラマ。彼女の姿を映した数々のショットに切なさが漂う、抒情性溢れる作品である。】
ー 長い間、米国暮らしだった元女優サンオク(イ・ヘヨン)は、突然帰国し、妹ジョンオク(チョ・ユニ)のマンションを訪ねる。
サンオクは帰国の理由を明かさないまま、且つて自分が可愛がっていた甥(シン・ソクホ)の店を訪ね、小さい頃住んでいた家を訪ね、自分の映画を撮りたいという、映画監督と居酒屋でコーリャン酒を呑みながら、自らが抱える心の深淵を、酔いも手伝い口にする・・。ー
◆感想
・今作は、同時公開された「イントロダクション」と共に観たい映画である。
何故なら、「イントロダクション」は人生の荒波にこれから出ていこうとする青年の茫漠たる不安を映画であり、今作は人生の終幕が近づいてきている元女優の、回顧の旅を描いているからである。
「イントロダクション」の主役を演じたシン・ソクホが、サンオクの甥として出演している所も、観方によっては青年が今や、所帯を持ち社会的に成功しつつ有る、とも観れる。
・元女優サンオクを演じたイ・ヘヨンと、彼女に映画出演を持ちかける映画監督(クォン・ヘヒョ)とのコーリャン酒を呑みながらの固定カメラで撮影したシーンは、白眉であろう。
サンオクの30年以上前の映画に感銘を受けたと話す監督に、撮影期間を聞き、”今はそんなにかかるの・・”と言い、映画出演を断るサンオクを演じたイ・ヘヨンの、本当に酒を呑んでいるのでは?と思ってしまう程の饒舌に自分の寿命が残り5-6カ月であることを告げる姿。
そして、彼女は”町を行く人々の顔の前には天国が隠れており”
”自分にも天国が有って欲しい”と願う言葉を口にする。
<余命僅かの女性が、且つて後にした土地、人を巡礼の様に巡り、話しをする姿。
その姿を凝視したかのような、数々のショットに切なさが漂う、抒情性溢れる作品である。>
<2022年8月21日 刈谷日劇にて鑑賞>
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