あなたの顔の前にのレビュー・感想・評価
全16件を表示
On the Manipulative Nature of Directors
After watching a baker's dozen of Hong Sangsoo's films, one can see the director is comfortable tethered to his own languid style. His characters reappear across films, with hidden vexations unwoven through extended dining out scenes. You know what kind of activity to expect, and the undertones are heavy-handed reflections on human relationships. His filmmaker characters suffer lonely male agony.
心の彷徨‼️
忘れていた。"いい映画" 😊 大好き
あれ?なんだか分かりやすい
「イントロダクション」観賞後に連続で。なんともストレートなドラマで、意外や意外。そして演者さんたちの素晴らしい演技もあり、非常に、ひっじょーーに切ない女性の人生ドラマに胸が締め付けられたのです。
僕が見てきたホン・サンス作品は鑑賞中に必死に足りない頭を回転させて行間を埋めていたのですが、本作は主人公サンオクの行動理由を見極める程度(結構早めに理由はわかると思います)であとはサンオクの気持ちに寄り添う、、、そんな作品でした。
なぜサンオクは「自分の顔の前にある(起こること)ことだけが真実」と言うのか?それを解き明かすような短期間ロードムービー的な構成。妹のところで過ごしている間のいくつかのエピソードでサンオク自身が何者で?なども含めて徐々に明らかになってきます。そして切ないラストまでゆっくりとゆっくりと語られていきます。
監督特有の演出なのでしょうが、会話の長回しシーンが印象的です。「逃げた女」の時もそうでしたしね。だからこそ映画監督とのシーンを経てのラストは胸に染み入るんです。そしてその肝心のラスト。どう見るか?ですよね。非常に切ないシーンです。「自分の顔の前〜」の主義に外れた自分、希望を持ってしまった自分への自虐なのか?本気にした相手への嘲笑なのか?なんにしても、これが目の前で起きてることであり、真実であるということが、切なくやるせない、、、そんな一本でした。
気怠さと女たらし
純文学のような世界
ホン・サンス独特の長回しと撮影方法は健在で、そこに一人の女性の人生を集約したような1日を描いており、シンプル且つ、ホン・サンスにしてはわかりやすい作品だった。
アメリカ在住で、かつては演技の仕事を少し(?)していたサンオクは様々な想いを胸に帰国し、そこで会った人たちとの会話が中心だが、これが文学のように言葉が心地よく流れてくる。少しずつ、サンオクの心の中が表れだし、終盤には彼女の現状がはっきりと輪郭化されていく様はホン・サンス映画の中ではかなり観る側に優しい描き方だった。
たとえて言うなら、絵画の中心にフォーカスされたものでまず観る側を引き寄せ、徐々にその背景や側面を見せていくような手法と言えるだろうか。それが、ズームイン・ズームアウトの撮影技法とマッチしているように見えた。
とはいえ、やはりこういった作品は役者の力量に尽きるような気がする。いくらこのような特殊な技法の映画を作ったとしても、役者の腕がなければ、ただの実験ムービーに終わってしまうだろう。
サンオク役のイ・ヘヨン氏と映画監督役のクォン・ヘヒョ氏の会話のシーンは、あまりにも自然に見えて素晴らしかった。
タバコを吸う人と吸わない人
まずは「素晴らしい」の一言。
個人的には『逃げる女』がベストワンでしたが、早くも記録が塗り替えられました。
(『イントロダクション』見たら、また塗り替えられたりして。同時に公開なんてもったいない。)
ホン・サンス監督の会話劇はミステリやサスペンスを見ている時と同じ興奮があります。
散りばめられたヒントから人物像が浮かび上がり、対話を重ねるうちに過去の関係が炙り出される。
そして、お互いが影響しあって、刻一刻変化する感情。
対話を通して、新しい関係に上書きされる瞬間に立ち会う臨場感!
ビタースイートな大人の相合傘が泣けました。
美しくて、切なくて、優しくて。
成瀬巳喜男を彷彿とさせる展開に、ラストシーンがより一層際立ってきます。
この世はタバコを吸う人と吸わない人に分けられる。
喫煙者の肩身が狭いご時世です。
うちの会社なんて建物の中には喫煙所が無く、エントランスからゆうに500mはある屋外に一ヶ所のみ。
高層階からだと降りるだけでも一苦労。
しかも屋根もない吹きっさらし。
劣悪な環境に追いやられるのと反比例して、どんどんあがるタバコの値段。
同僚の視線を背中に受けつつ、確実に有害な物質を体に取り込む為に、雨にも負けず風にも負けず。
時代に逆行して、それでもタバコを吸う覚悟。
韓国のタバコ事情は知りませんが、この映画の中では“そちら側”を選択した生き様に見えました。
喫煙は弱さや依存に映るかもしれませんが、誰しもが何かしらに依存しているのではないでしょうか?
タバコは会話の間を持たせてくれる。
初対面の人との距離を縮めるコミニュケーションツールだった時代もあったのですよ。
そして何よりタバコは、深いため息をつかせてくれる。
将来の保身(健康)を捨てて、今この瞬間の欲情に正直に生きる。
たとえ周りの者を不幸にしてでも。(副流煙)
そのかわり、傷ついても誰のせいにも出来ない。
今の時代にそんな生き方を選んだ同志たちに見えました。
失うものも多いけれど、今この瞬間の真実と美しさを知っている。
あと、タバコって銘柄でその人をなんとなく判断できますよね。
とくに監督のタバコが人となりを表していて見事でした。
あぁ。ホン・サンス監督って、本当に優しくて残酷で、ロマンチックで辛辣で…大好きだぁ!
誰の顔の前?
全16件を表示