ロストケアのレビュー・感想・評価
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超高齢化社会を考える作品とはちょっとした違う
松山ケンイチさんのファンで、劇場で鑑賞しました。松山さんさすが。柄本明さんと本当の親子にしか見えなかった。もう泣きました。長澤さんもとても良かった。
映画の内容としてはうーん…ですね
ちょいちょいありえない所が目に付きましたが俳優さんの演技に救われた作品だと思います。確かに安楽死や尊厳死の考えもありだと思います。これからたくさんの高齢者を少ない若者が支えなければならない。私も出来るなら安楽死を望みます。
観る人の立場によって評価は変わるかも
葉真中顕さんのデビュー作を映画化した作品で、主演は松山ケンイチさんと長澤まさみさん。原作は2019年6月に読了しているが、大まかなあらすじしか覚えていなかった。
利用者から評判のいい介護士が実は連続殺人犯だったというストーリーではあるが、ありがちな人殺し映画ではない。現代社会の歪み、介護の闇と正面から向き合った力作だ。
主演の2人もそれぞれの役を誠実に演じており、好感がもてる。
ただ、全体にあっさりしすぎかとも思った。
安全な高みからどん底で這いずり回る人を見下せる人が、この作品を楽しめる
安全な高みからどん底で這いずり回る人を見下す人とは、松山ケンイチ演ずる被告が長澤まさみ演ずる検事に投げつけた言葉です。
介護で心身すり減らしている人はこの手の映画見る余裕も意欲もないでしょうし、この作品を楽しめる人は冒頭の立場の人でしょうと、思いました。
中々重くてシンどいテーマを扱った作品です。
あと、冒頭で長澤まさみ演じる検事が孤独死の現場を訪問します。なぜ、警察でなく検事が?という疑問は、最後に伏線となって回収されます。
法廷でクライマックスとなる○○の場面を描かず、あっけなく終わるので、好みが分かれるところではないでしょうか。
なお、松山ケンイチの演技はとても良いと思いました。
目を背けてはいけない
とても重い映画だった。
考えさせられた。
多くの方に見て欲しい。
救ったのか殺したのか…
黄金律。
「人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい」
見えないのではなくて、見たいものと見たくないものがあるだけ。
殺めた時に見つけた折鶴に綴られた父の言葉。
涙が流れた。
松山ケンイチと柄本明の演技は圧巻でした。
動悸を感じるくらい、映画に引き込まれました。
原作既読勢として設定改変にはモニョりますが柄本明氏が素晴らしかったので、それで
原作既読勢。
いろいろ物申したいことはありますが、まずは良い点から申し上げますと……
柄本明氏の起用ですね。
もうこれに関してはでかした素晴らしいよくぞこの逸材をこの役に当てたとしか言いようがございません。原作でも例の場面は大泣きしましたが、柄本父の演技が上乗せされたおかげで倍泣きしましたね。ええ、この映画は柄本父にチケット代を注ぎ込む作品と申し上げても過言ではございません。松ケン面白い髭の生え方してんなとか作品に関係ないこと思ったりしましたが、それでもあの場面は松ケン斯波の気持ちにシンクロしますね。いや泣くわあんなん。
さて、個人的に微妙だった点です。
いやごめんなさい。本当にこの作品で褒めるところ柄本氏の起用しかなかった。いえ、無論個々の役者さんは大好きです。はい。
①大友の設定について
原作の大友は男性です。
これに関しては作者の葉真中さんから「今の時代に即した設定」とのお言葉もありました。原作者了承の上の改変、ということですね。
個人的に私も女性にしたことについては、特に問題は無かったと思っています。
問題がその親の設定ですね。
原作では大友の父親を富裕層の有料老人ホームに入れています。そして父親はかなり成功した貿易商でした。
……で、なんでここを変えたのか。
父で良いじゃん、ではなく。今回の映画では《夫と離婚して保険外交員をしていた母》になっていたんですよね。
なんでそこ変えたんだろ。
あと、クリスチャン設定も「母まで」ですね。原作では《父の代からクリスチャン》です。
この設定改変が割とデカくて、要するに大友が斯波の存在を気にするか否かがこの辺由来だったりする。
なお、大友が父をホームに入れた時の葛藤も大幅カット、どころかほぼ無くなってましたね。
②介護保険法について
原作では作者さん何者ですかと思うほど徹底的に掘り下げて解説されていました。
……で、なんかここまで清々しく何も触れないとは思ってもみなかったです。この辺が劇中のいろんな方の行動の理由づけにもなったりするのですが。
③対話シーンの多さについて
正直、予告編で既に不安はありました。
で、見事に不安的中しました。
予算が足りなかったのでしょうか。本来であれば登場人物の動きで解説されるべき場面が、大河ドラマのナレ死並のスピードでセリフで処理されるというある意味超展開ですね。
すみません、これでも言葉選んでフォローしてるつもりです。でも実際そうなんだもん。仕方ないじゃん。
なんか登場人物が脈絡なく突然自分の過去のことを話し始め、周りもそれを気持ち悪がらずに受け入れるというパターンが非常に多かったです。
④ジャンルについて
原作は社会派ドラマです。
この映画は2時間サスペンスになりきれなかった人間ドラマです。
ぶっちゃけ途中で登場人物達が種明かしを始めた時点で、この後、名取裕子氏でも出てくるのかなと思いました。
結論。
柄本明氏の名演技は是非観てほしい。
ただ、原作既読勢の方はあくまで別物としてお楽しみいただきたい。
ただ、未読の方がこの作品を見て全体像が理解出来るかと言えば、ちょっとわからんなという感じはありました。
松山ケンイチ、 どんどん良くなっていきますね ストーリーとしては、...
松山ケンイチ、
どんどん良くなっていきますね
ストーリーとしては、
想像の域をそんなに越えなかったかな
心に響かない
テーマは興味深く、簡単に善悪の判断をつけられない問題。高齢化社会を生きる日本人にとっては、身内の介護を巡る心情への共感や理解も深いと思います。
なのに、本作はすごく薄っぺらい倫理観とそれっぽい言葉を並べただけで、綺麗に介護問題描いてみました的なものにしか見えず、全く心に響きませんでした。
俳優陣の演技が悪いとかではなく、映画の作りがひどい…。何度も同じような鏡に映った姿や反射を多用し、ドアップの連続、カメラワークに監督の主張が強すぎてノイズになっています。
とってつけたような由紀ちゃんのその後とか何故差し込んだのか分からないし、介護を巡る当人や家族の想いも中途半端。肝心の介護シーンも、もっともっと目を背けたくなるものなはずなのに、ふわ〜っとしか描かない。
そもそも検事と被告人の関係が非現実的過ぎて入ってこなくてイライラ…。どうしてこの検事は最初から偉そうに説教ばかりするのか…最後の展開も都合の良すぎる…。
きっと原作は素晴らしいのだと思いますが、映画としては残念なものでした。
酷評ごめんなさい。
老後問題と介護問題
普通のサスペンスかと思ったら、老後問題を問うドラマだった。中々面白かったし、色々鑑賞しながら考えてしまった。特に40代以上には刺さる内容だったのでは?
PLAN75と議題はかぶる。
あれは当人が選択する問い、これは第三者の問い
私の父も孤独死でした。リアル。
かなり重い内容である。
この場での議論は避けたいが
松山ケンイチは罪だが許したい。
私の感想。
結局、判決は⁉️
長澤まさみは何を最後言いたかったのか❓
余談
アカデミー賞が終わったばかりですが、この物語といい演技から来年絶対何かはノミネートされるでしょうね。
綺麗事にできない介護の辛さ。
介護の辛さは経験してみないと分からない。特に認知症が出るとコミュニケーションもままならなくなり、映画のように、私も思わず親でも手を上げたくなるときもあった。だからといって殺してはいけないと言うのは、その通りだが、実際に親を殺さずとも、自分が自殺した人もいるのだ。決して綺麗事にできないことをうまくストーリーにしている。
介護未体験の人には分かりにくいと思うが、認知症は記憶がすべて一度に失われるわけでなく、柄本明が演じた父親のように、まだらになるので、クリアに覚えていることも、理屈通りに話せるときもあったりする。だからといって、普段の苦労がそれで償われるかというと、それほど現実は甘くない。
私も親を施設に入れたとき、そして親が死んだときは、正直なところ、解放感があった。後から悲しくなることもあるが、それまでにとっくに涙も尽きている感じなのだ。だから、この犯人を単純に許せないと語ってほしくない。救われたという家族がいてもおかしくはない。それほど過酷なことなのだ。
長澤まさみも松山ケンイチも力演していて、さすがだと思った。綾戸智恵さんのお婆さん役もよかった。
身近な問題、見て欲しいです。
身近な問題で、友人であれ、会社スタッフであれ、口にしにくい、相談もされたくない、みんな抱える問題の映画を見て考えて欲しいです。
松山ケンイチと長澤まさみが良かったです。
選挙課題問題ですよ!
世界中深刻かも。
自然死させて貰えない時代。安楽死の法律を国会の議題に挙げて速やかに決めて貰いたいものだ。時間の問題でどんどん家族間や施設の中で事件が起きてくると思う。ヤングケアラーである子供たちの深刻度なども政治家たちはどれだけ現場を知っているのだろう。先が思いやられる。
去年認知で母を送った私にはしみた
高齢化の日本が抱える大問題
松山ケンイチさんと、柄本明さんには泣けた
わかりすぎる。逃げては行けないのにやはり自分を一番だとしてしまうのは、悪いことなのか
直太朗さんの曲も泣かせる
人を殺してはいけない・・を、問いかけられる
真正面からの問題提起。見終わっても答えが出せない。
自分には関係ないと思っていた事をこんなに深く鋭く突きつけれ胸はずっと苦しいまま。
多分原作の凄さなのだろう。
しかし、監督、演者がその原作から与えられたものを丁寧に道を逸れずに向き合っている事に感心する。
松山ケンイチと長澤まさみの対立のシーンは鳥肌もの。
脇を固める役者陣、誰一人として外さない。
そしてこれは安易な意見かもしれないが、政治家の皆さん、必見です。見る責任があります。
虚実と現実のせめぎ合い
なかなか難しいテーマを扱っていたからこそ観賞しようと思い至ったのですが、意外と演出が過剰というかわざとらしいというか、よく見慣れた役者さんが決まったようなセリフを言わされているなぁという印象が強くて、これは単に民の心を引くために現代的な問題をネタとして劇化しただけのものなのか・・・と不快な思いになってしまいました。
確かに見ていて気持ちの良い内容ではありませんでした。それは覚悟の上での観賞。でも虚飾が酷い・・・と思いきや、物凄く切実に感じる部分が徐々に挟み込まれている気がしてきて、もしかしたら、あのわざとらしい演出や演技はリアルなものをより現実味を持たせたり身につまされるものにするために敢えてそうしているのか!と・・・まぁ個人的な勝手な見方であり、そんなうまい具合に作られているようにも見えないですがねー。
とはいえ、虚実と現実がうまい具合にせめぎ合っているような印象を感じて、それによって非常に感情を揺さぶられ、さらには今の、いやこれからの高齢化社会というものを否応にも感じざるを得ませんでした。
予想よりも演出されたドラマだったけれども、内容から受け取ることが出来る思いは予想通りだったような気がします。
とっても考えちゃう映画でした
ストーリーとキャストの設定がとても素晴らしく、入り込んでしまいました。
他人事ではない、日本が超えなければならない高齢化社会を映し出した作品でした。
長澤まさみや松山ケンイチそして柄本明の凄まじい迫力ある演技が、とても素晴らしく、フィクションのようでした。
「見たくないもの」を突き付けられて、深く考えさせられる
認知症の老人と、その介護で苦しむ家族を救うための殺人を、一方的に断罪するような映画ではないし、ましてや、それを全面的に肯定するような映画でもない。
裁く側と裁かれる側の主張は対等に描かれているし、被害者の家族にしても、「救われた」と言う者もいれば、「じいちゃんを返して」と泣き叫ぶ者もいて、一体何が正しいのかと深く考えさせられる。
中でも、長澤まさみ演じる検事と、松山ケンイチ演じる介護士が、お互いの正義を激突させる取り調べ室のシーンは、2人の演技のぶつかり合いと相まって、この映画の最大の見どころと言っていいだろう。
確かに殺人は許されないことではあるが、個人的には、「安全地帯で綺麗事を言っている人間には、穴の底て這いずり回っている人間の気持ちは分からない」という介護士の主張は心に響いたし、彼の考えを100パーセント否定できる者はいないのではないかと思ってしまった。
切っても切れない親と子の関係性が「絆」にもなり「呪縛」にもなるという双方の主張も納得できるし、介護の問題を親子の問題として帰結させたラストにも、共感することができた。
「ロストケア」の是非はともかく、父親を殺めてしまったことに対する罪悪感と後悔を自覚できた時、介護士の魂は初めて救われたのではないだろうか?
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