ロストケアのレビュー・感想・評価
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内容はとても良かったが。。。
マツケンの演技、抑えた演技でとてもよかった。
訴えたいテーマ・内容についても、身につまされる部分がたくさんあって、多くの人に見てもらいたい内容だと思いました。
ただ、説明的な語り(セリフ)が多すぎるのが難点。
逆に白けてしまう感がありました。
あと、個人的には主題歌が思わせぶりすぎるのが気になりました。
演出の仕方でもっとよい映画にできるのでは。。。
終始、胸が苦しくなる映画
松山ケンイチさん演じる斬波のやっていることは殺人であることに変わりはないが。。。気持ちがまとまらずに簡単には感想は書けそうにはありません。皆様のレビューをじっくり読ませていただいてもう少し考えたいと思います。
事件発覚後の戸田菜穂さんと坂井真紀さんの反応の違いは、このテーマには答えがないということを意味しているのかもしれません。
とにかく観ていて終始、胸が苦しくなる映画でした。
日本で進む超高齢化社会。誰もが介護によって不幸にならないための制度やサポートをもっと国は推し進める必要がありますね。
日本の死刑制度についても考えさせられました。
松山ケンイチさんと長澤まさみさんの対峙のシーン、ふたりとも譲らず素晴らしい演技でした。
柄本明さんの演技も凄すぎと思いましたが、柄本さんの2023年の公開作品がすでに4作で公開予定もすでに5作は確定、日本の映画会は柄本さんに頼り過ぎではないでしょうか。
結局、
親のことを考えさせられる
ややメッセージ感が足りないが…。
今年100本目(合計751本目/今月(2023年3月度)35本目)。
今週(3月4週の週)では本命だと思ったし、個人的にはその筋で見ました。
内容については多くの方がすでに書かれているので思い切ってここはカットします。
…で、レビューのタイトルにも書いたのですが、「では、何が述べたいのか」という点がはっきりしていない点はどうしてもあげられます。これから高齢社会になるということは映画で述べることでもなく一般常識ですし、一般的にヘルパーなり介護センターなりを探すとしても、「ここまで無茶苦茶な人がいる」ということは想定しないので、「申し込む前に口コミサイトなどでよく調べましょう」でもないはずだし、この映画の「主人公」と言える人(おそらく一意に決まるはず)のとった行動も許されることはありませんが、「許されるものではないが、趣旨がまったく理解できないわけでもない」(換言すれば、精神鑑定に回すような支離滅裂な主張とも言えない)という点があるからです。
この映画はいくつかの見方ができると思いますが、どの見方をするとしても、個々人(私人)の問題ではなく、究極論は国民(便宜上、外国籍でも長く住んでいる方等も含む)に対する国策の問題であり、私人がどうこうするには限界がある事案です。個人が頑張ったからといって、高齢化問題が収まるわけでもなければ、(程度差はあっても)「こういう事件を起こさないようにしましょう」というのも無理があり(「一応」、主人公の主張も「一応」理解はできる)、「では何を述べたいのか」という点、つまり「メッセージ性」がはっきりしないところです(仮にわかっても、一個人にどうこうできる範囲ではない)。この点は、2022年の「ある程度」同趣旨の「PLAN75」にも通じるところがあります。
この映画は東京テアトル系列の配給で、テアトル系列さんの映画といえば、「はい、泳げません」のように、「メッセージ性が明確で何を述べたいかわかる」ものが多いです。この映画も確かに「メッセージ性は明確」ではありますが、では「個人(私人、換言すれば、国ではない個々人ということ)が何をできるか」という点については言及がまったくなく(まさか、介護センター等を申し込むときには口コミサイトを見ましょう、というのは無理がある)、この点「映画の趣旨は理解できるが、では何を問題提起したいのか」という点がはっきりしないところがあります(仮に問題提起があるとしても、個人でどうこうできるものではない)。
採点に関しては下記を考慮して4.7を4.5まで切り下げています。
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(減点0.3/メッセージ性が不明確)
・ この点は上記にも書きましたが、「趣旨もわかるしメッセージ性もわかるが、ではこの映画を見た当事者が何をできるか」という点の問題提起は皆無で(まさか、トラブルがおきないように高齢者介護は個人でみましょう、とかという取り方は無理)、「では具体的に何をどうすればよいのか」という点はわかっても、「それは国の国策のレベルであり、映画館に来る個々人にどうこうできることではない」という点に大半つきます。
ただ、そのように「個人ではどうしようもない問題を扱っている」とはいえ、「言いたいこと自体は理解できる」ので、減点幅はこの程度です。
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(参考/減点なし/生活保護について)
・ 生活保護は「申請」が必要ですが(生活保護法)、申請は、形式不備などを除けば、行政(ここでは、都道府県なり市町村の福祉課等)に「受け取らない」ということは通りません(行政手続法)。映画内で描かれているのはいわゆる「窓際作戦」ですね。
このような「不親切な自治体」があまりにも多いので(この点はリアルでも問題視されている)、「常識的に見て明らかに申請が通ることが明確で、かつ行政が受け取りをしない」といった場合、弁護士か行政書士(特に行政書士。行政に対する手続きの代行、同行は行政書士がメインに扱います)が行けば、「行政手続法上、申請を拒否する権限(行政手続法上、「申請の拒否」という概念が存在しない)は個々の公務員にはない」ということは明確なので、映画内の適当な描写はまずいです。
※ したがって、弁護士や行政書士の方が同席してちゃんと説明すれば、「申請すらうけつけない」ということはなくなります(そもそも行手法上、「申請を受け付けない」という概念が存在しない)。
彼はなぜ42人も殺さねばならなかったのか?
おそらく誰もが通る道
医療が発達するに従いいわゆる延命が可能となり、介護はある意味避けて通れない命題のようなもの。
長澤まさみ演じる検事のようにお金に余裕があり介護をサービスで解決する場合もあるだろうが、深く日本の社会に根付いている問題で誰も目を逸せないだけに深くこころをわしづかみにされて考えさせられる作品だと思う。
目を背けて見て見ないふりをする事が出来るのか。
松山ケンイチも長澤まさみも抑えた中で溢れる感情がすごい良かった。
あと柄本明さんの演技がすごかったなぁ。。
介護疲れで放心してた戸田菜穂さんの最後法廷でのシーンも印象的でした。ビクってなった。
後半は映画館あちこちで啜り泣きが聞こえてたけど、きっと他人事じゃなく身につまされちゃう人もいそうだなと思いました。
来年のアカデミーじゃないかと
成人式に上映して、10年毎に繰り返し観るべき
役者の凄みと映像の巧みさ
マツケン、柄本明、長澤まさみの演技がなんといってもすごいです。
怒りやもどかしさ、絶望や救い…などなど、その1つひとつの表情に引き込まれます。やりとりの中でこみ上げる想いがあふれてる、って感じです。すごいです。見る価値ありますね。
あと、映像がうまいなぁと。4つの鏡に写す、2人の顔をスライドする、面会のシーンの反射したというか顔を並べる。きっと、もう一度見ると、また違う見え方になるんだろうなぁという深みがありました。
もちろん、ストーリーは考えさせられる内容で、重みのあるものでした。
少し引っかかったのは、あの娘のその後をチラッと見せたのは必要か?です。あの一場面だけ、なんの説明もセリフもない。どうしてああなったか、想像はつくけど、それにしても必要なのか?とモヤモヤしました。
綺麗ごとでは済まされない介護問題
高齢化社会における介護の実態と問題点を鋭く描いた社会派サスペンス。今後も増加する介護問題は綺麗ごとでは済まされない重要課題である。家族の在り方と人権について深く考えさせられる作品です。主演の松山ケンイチと長澤まさみはさすがの演技力で二人の掛け合いに圧倒された。
2023-46
由紀ちゃんは堕ち過ぎ
献身的な介護をする訪問介護センターの職員による被介護者連続殺人の話。
介護センター所長が利用者宅で死亡しているのがみつかると共に、その家に住む利用者も亡くなるという事件が発生する中で、その介護センターの利用者の死亡件数が他所の5~10倍にものぼることか発覚して巻き起こっていくストーリーで、サスペンスでは無く人の尊厳や死生観や介護等に纏わる感情と倫理を問う人間ドラマですね。
あっさりと斯波が容疑者として挙がる中で、41件の事件について検事による取り調べが行われて行くけれど、何でと聞かれた返答が開き直り過ぎというか、それは理由ではないだろうに…とちょっと違和感。
そして終盤の検事の吐露は、思っていても頭に過っても、立場上お前がそれをそいつに言うか?と…そこは思っても黙して対立し葛藤してなんぼだと思うのだけれど。まあ個人的意見ですが。
取りあげている問題は非常に悲しく重く、考えさせられるもので、難しい問題だけれどとても良かったのに、なんだかなぁ…。
そして益々PLAN〇〇は実際にあったら良いのにと考えてしまった。
穴に落ちた者
観て、そして語り合う機会に。
辛すぎる…。
星5つじゃ足りない。老人必鑑の作品
学生時代からずっと仲の良い友人の母親がホームに入居中らしいのだが行く度に「邪魔だと思ってるんでしょ。死ねばいいと思ってるんでしょ…」と当たって来て辛い。と嘆いていた。
俺たちももうすぐ還暦。
マツケンのセリフひとつひとつが胸に刺さる。
肉親だからこそその人格が壊れて行くのが辛いよ。
しかも親を見捨てる⁈って事が出来ない人間の弱さ。
良い人ほど絆って重くのしかかっていくんだなと。
出演者それぞれが子役に至る迄見事に機能している。しかもかなり高い次元。
柄本明は凄いとしか言いようがない。
そしてそれに応えるようにマツケンの演技も素晴らしい。
マツケンを追い込む長澤まさみもその背後にある両親の関係に揺れ動く心を見事に演じてた。
誰もが考えさせられる『老い』
歳とってしまった今だからこそ作品の世界に引き込まれます。
ラス前 坂井真紀とやすがお互い手を取り合ったのを見て救われました。
我が家もひと回り差があるので間違いなく迷惑かけるんだろうな…
賞レース前にサブスクなんかで観た人達で更なる盛り上がりが起こりそう…
それくらい凄い作品。
ロストケアという殉教行為
この映画の成功(と私は思ってます)の要因は、なんと言っても、原作では男性の大友検事を長澤まさみさんが演じたことです。
犯人とのやり取りの中で、次第に実態を失っていく正論は、凛とした佇まいの長澤まさみさんを通すことで、重たい現実に飲み込まれてあやふやなものになっていく〝理想の脆さ〟を際立たせます。生半可な男性検事だと正論や理想論が始めから胡散臭く見えかねないと思うのですが、長澤さんが語ると、取り敢えずは、ふむふむ、そうだよなとなります。
憧れの先輩に理想を見出していたけれど、介護現場の現実の重みに耐えかねて壊れてしまった由紀との並列対比が、後半への伏線でもあったのだと思います。
なぜ国家は(戦争や死刑という形で)人を殺していいのか。人が人を殺すのは、理由を問わず禁じられているのに。
罪悪感(=親を殺す)という呪縛から、解き放ってあげることがロストケアである、と信じる斯波が迎える最期は、いわば〝殉教〟であり、本人にとっては望むべき姿。だから、その覚悟が潔く映る。
正解など無いと分かっている重いテーマだけに、
『護られなかった者たちへ』と同様に、後味は苦いけれども、心を揺さぶられるし、乱されもする。
安全地帯にいて倫理を振りかざすこと。
穴の底にいる者ならば、国家にしか認められていない殺人という行為が許容されるのか(法律上、国家のみに与えられた特権を行使する者への処罰の妥当性)。
あーでもないこーでもない、と考えるのが好きな方には必見の作品です。
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