「介護について物申したい」ロストケア Tさんの映画レビュー(感想・評価)
介護について物申したい
映画はとても素晴らしかった。
検事と犯人、どちらの正義も正義だと感じた。
この場を借りて言いたいことがある。
うちの両親とも、車いす生活で要介護3〜5を経験している。父親が亡くなってから、5年後に母親が車いす生活となった。
介護される方は、最初は感謝の言葉を述べるが、それが当たり前になってくると一番辛いのは自分だと我が儘になる。介護する方も、出来る限りの事をしようと精一杯お世話をするが、それが当たり前と思われると辛くなる。
世の中の大半の人は、施設に預ける事を「悪」と感じていて、預けられた人を可哀想と言う。
実態を知らないのに、口は出すべきではない。
当事者はいっぱいいっぱいなのだ。
家で介護をされるのが幸せと思っているのは、介護に関わっていない人達ばかりだ。
施設の方が行き届いたサービスを交代しながら24時間してもらえる。介護される方もその方が幸せだし、家族も安心して毎日を送れる。
このロストケアされてしまった人達も、最後まで家で診ているから苦しくなる。
金銭面で施設にお世話になるのは難しい人もたくさんいるのは知っている。自分も、それだけの貯えを作れるか不安だ。
それこそ、私自身が介護を必要とする身体になったら、介護されるより死を選びたいと思う。その頃に、尊厳死という制度が出来ていれば…と思っている。
父が寝たきりになり、食べ物も嚥下食しか食べられなくなった時「早く死にたい」と呟いた声は、10年以上経っても忘れられない。
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