「心臓を潰されるような気持ちになった」ロストケア あぶるさんの映画レビュー(感想・評価)
心臓を潰されるような気持ちになった
誰にでも起こり得る介護の現実を、際どい角度から描いている。
多数の老人を殺害した斯波の狂気性が暴かれていくのかと思ったが、まったく違う展開だった。
斯波と大友検事のやりとりがとても印象的で、法に拠り、正義に立っているはずの検事側の言い分が途中から怖くなってきた。
最初は正しいと思っていた側の言い分が、途中からおかしく見えてくる。とても考えさせられる展開だった。
(例えとして適切でないのは承知だが、かまいたちのネタのような展開。)
斯波にも正義があり、そして斯波の行動で救われた人間も間違いなくいる。
正論・正義は時に残酷で、むしろ人間らしさがないこともある。
そういったことを強く感じた。
メッセージやストーリーはすこぶる良かったが、大友の行動の意味がわからないところや不要に感じる描写があったのが残念。
検事はなぜ最後あのような行動に出たのか?何を伝えたかったのか?検事も救われたかったのか?
疑問符がいくつか残ってしまった。原作を読めば納得できるのだろうか。気になる。
コメントする