劇場公開日 2023年3月24日

「心に響かない」ロストケア まだまだぼのぼのさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0心に響かない

2023年3月24日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

テーマは興味深く、簡単に善悪の判断をつけられない問題。高齢化社会を生きる日本人にとっては、身内の介護を巡る心情への共感や理解も深いと思います。

なのに、本作はすごく薄っぺらい倫理観とそれっぽい言葉を並べただけで、綺麗に介護問題描いてみました的なものにしか見えず、全く心に響きませんでした。
俳優陣の演技が悪いとかではなく、映画の作りがひどい…。何度も同じような鏡に映った姿や反射を多用し、ドアップの連続、カメラワークに監督の主張が強すぎてノイズになっています。
とってつけたような由紀ちゃんのその後とか何故差し込んだのか分からないし、介護を巡る当人や家族の想いも中途半端。肝心の介護シーンも、もっともっと目を背けたくなるものなはずなのに、ふわ〜っとしか描かない。
そもそも検事と被告人の関係が非現実的過ぎて入ってこなくてイライラ…。どうしてこの検事は最初から偉そうに説教ばかりするのか…最後の展開も都合の良すぎる…。

きっと原作は素晴らしいのだと思いますが、映画としては残念なものでした。
酷評ごめんなさい。

まだまだぼのぼの
まだまだぼのぼのさんのコメント
2023年3月31日

〉いぱねまさん
コメントありがとうございます!
なるほど。仰るとおり、テーマとしてもどちらかを正義とすることがないように中立視点を意識された造り方になっていますよね。法律だけでは解決できない地獄があり、救う手段は何があるのかと問われた時、斯波のような考えに至ってしまうことも理解できないわけではない。
真正面からこのテーマを描いた姿勢は素晴らしいなと思います。

まだまだぼのぼの
いぱねまさんのコメント
2023年3月25日

失礼します
始めにおことわりしますが、決して貴殿のレビューに対して反論するつもりは毛頭ございません 色々な見解が有って然るべきサイトですし、私自身拙い思考で、恥ずかしい限りを痛感しております

私も原作未読なのですが、どうも改変が多いとの情報なので、原作とは切り離した建付だと思った方が良さそうです 小説よりも映画の方が圧倒的に情報量は多い 同時に補う想像力(自身の世界への没入感)は、映画では困難だと思います なのでどうしてもその表現力の強弱に個人差がついて回るのでしょう 介護シーンでは直近で私はもっと酷い作品を鑑賞しました その作品と比較すれば今作は温いと感じましたが、同時に認知症に於ける過食症状はその期間はそれ程長くないとの情報がネットに書いていました 勿論個人差があるので、もしかしたら想像を絶する長さの人もいるかもしれません そこも含めて介護地獄を敢えてぼやかした部分を演出するのは、今作の意図として、決してどっちか(検事か犯人か)に偏らせないバランスが設定されていたのだと、私的見解ですが気付いたのです 今作は感情移入や没入感に安易に逃がさない、冷静さを以て観賞して欲しいというメッセージなのだと勝手に受取りました

長文、駄文、大変失礼いたしました

いぱねま