「スクリーンの外、前後が脳内に映える」母へ捧げる僕たちのアリア haradonさんの映画レビュー(感想・評価)
スクリーンの外、前後が脳内に映える
邦題と予告編から、「母想いの末っ子vs乱暴な兄」の対立をイメージしたが、序盤で払拭された。そんな雑な話じゃない。かといって複雑でもない。
とてもとても丁寧に吟味されたシーンとセリフは必要最小限で、なんならストーリー上で重要なことがいくつも不明のまま進む。だけどそこに全く不足を感じない。
スクリーンに映っていない出来事や、時間の経過、景色、やり取りされたであろう言葉が、脳内で勝手に再生され、勝手に感動してしまう。
名人の落語のような見事な作品だった。
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