「筆舌に尽くしがたい」劇場版 Gのレコンギスタ IV 激闘に叫ぶ愛 澤木正克(アンギラズ)さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0筆舌に尽くしがたい

2022年7月23日
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※監督より、「ネタバレなんぼのもんじゃい!」発言があったようなので、ネタバレタグ外します。

先ず、本当にこの作品を無事観ることが出来た事が何より良かった。
富野監督も御高齢、こちらもそろそろいつ倒れてもおかしくない年齢に差し掛かり、さらにはこのコロナ禍。
加えて主演の石井マークさんも体調崩されたことがあったりと、本当に5作最後まで自分の目で見届ける!事が出来るのか心配でもありました。
なんとか、Ⅴの公開も決まり、私も再来週までなんとか健康で生き延びれば、最後まで観れる!と言うのが何より嬉しいと言うかホッとしました。

さて、前置きはこの辺にして…
「GのレコンギスタⅣ 激闘に叫ぶ愛」
この作品は富野監督の一つの到達点ではないかと思います。
自分の中では「イデオン発動編」と双璧と言っても良いくらい。
サブタイトルの通り、この作品は全編に戦闘シーンが散りばめられておりますが、どれを取っても全く無駄がありません。
戦闘描写、作画の素晴らしさは言うまでもなく(特にマスク戦の力の入れようは素晴らしい)ドラマ上邪魔になるような変な演出、戦闘シーンだけ浮いてる感じと言うのが全く無いというか、必然性しか無い!と言うか戦闘シーンからドラマ作ってるような…なんと説明したらいいか難しいですが兎に角無駄が無いです。
この長さのロボットアニメの映画で最初から最後まで全くダレる事無くずっと没入して観れると言うのはなかなか無いと思います。
テレビ版では何をやってるのか矛盾だらけだったジット団についてもかなり行動原理は明確になったと思います。(明確になった上でやっぱりやってることはデタラメ感ありますが)
フォトントルビートの描写も背筋が凍るような怖さがありました。
そして、なんと言ってもマニィですよ。
正直、テレビ版の時には彼女にはムカついてたところもありましたが、今回のⅣで、心から「本当に良かったね」と言いたくなりましたし、マスクやマニィの思いも理解できました。

正直、富野作品に親しみのない人、Gレコを知らない人には高い壁があることは否めません。
ですが、それを乗り越えるだけの価値は十分にある作品です。
是非、GレコⅠ~Ⅲを予習して、Ⅳ、Ⅴを劇場で観て、これを機に他の富野作品にも是非とも触れていただきたいなと思いました。
因みに、ガンダムの知識は全く必要ありませんのでガンダム観たこと無い人も御安心ください。

澤木正克(アンギラズ)