「セルアニメ最高レベルのバトルシーン」劇場版 Gのレコンギスタ IV 激闘に叫ぶ愛 Masuzohさんの映画レビュー(感想・評価)
セルアニメ最高レベルのバトルシーン
尺的にも完全補完されすぎて
TV版の存在価値がいよいよ怪しい
劇場版Gのレコンギスタ
5部作もとうとう4作目
今作は
フォトンバッテリー等の
この世界のエネルギーの供給源
ザンクトポルト・ビーナスグロゥブへ
ついにたどり着くとともに
そこで目の当たりにした現実から
ベルリやアイーダが自分たちに
課せられた使命を少しずつ感じ取り
地球圏から宇宙圏まで様々な勢力
の思惑が絡み合って戦いの渦が
いよいよ増していきます
これまでの3作同様TV版で欠けていた
「さすがに必要だった説明パート」
が追加された効果が一番出ており
結局ジット団が何がしたかったのか
使ってるMSは何だったのか
などといった部分が掘り下げられて
いました
監督が忘れていたという説も
あったGアルケインの変形機能も
行われています
やっぱり2クールじゃ
入りきらなかったのかなあ
富野由悠季の手法として
ストーリーの視点は誰でもない
客観的な視点から描くことによって
様々な勢力や人物の思惑を描きます
地球での戦争をやめられなかった
人類が地球で生きていくための
リソースを全て宇宙にもっていき
軌道エレベーターで分配していく
という世界
その決まり事を守らせるために
スコード教を信仰させていますが
地球に住む人類はその仕組みに
疑問を持ち力勝負で主導権を握る
べきなのではないかと禁忌を破りに
かかり
宇宙は宇宙で地球に近い環境を
目指しても遺伝によって起こる
変異「ムタチオン」を避けられず
その恐怖からやはり地球より
優れた技術での地球への帰還
「レコンギスタ」を果たすべきだ
という考えも出てきている
これらの関係性は
今のウクライナ侵攻からも
わかるように現実世界に
照らし合わせたものだと
わかります
戦うことがより優れた種が
生き残るためだと考える者も
いたり
目的のための手段でもあり
手段のための目的でもある
部分など人間の性を
富野由悠季監督はよほど
描きたかったのだと思います
今までの作品もそうでしたけど
ただGレコがこれまでのガンダム
らと違うのはそうした情勢変化に
翻弄される中でも登場キャラたちの
恋愛関係などによる行動原理等を
ストーリーの中でも強く出しており
結局世界がどうなろうと若者は
自分の周りのことからしか
動き出せないという現実を
描写しているんだろうなと
思います
大義名分を掲げる大人が
矛盾な行動をとりがちなのも
今回のジット団の
自分で壁壊したのになんか
美化されていってしまった
キア・ムベッキが表して
いた気がします
また印象的だったのは
ベルリが戦乱を収めるために
使ったGセルフ・パーフェクトパック
の「フォトン・トルピード」の
虐殺にも近い圧倒的な威力に
恐怖するシーン
強引に戦争を止めようと思えば
そういう事になってしまうけど
それでは自分も人殺し
という事実を突きつけられて
困惑するベルリには何とも
言えない気持ちになります
今時セルでロボバトルここまで
真っ当にやってる作品もないですし
迫力も最高レベルのもの
最終作も期待できるのでは
ないでしょうか