「ほどけてゆく瞬間」線は、僕を描く ベッラさんの映画レビュー(感想・評価)
ほどけてゆく瞬間
ことばには力があると思う。言霊というように呪いでもある。
小さい頃は将来ナニにナリタイノという洗礼を受け、おそらく誰もが大きくなったらナニカになるのだと思い、子どもでいられなくなる頃ナニになろう、なれるんだろうと考える。そして世の中で成人とされる頃にはナニカのなんたるかに惑わされたり、見ないようにしたり、見つけたり、見つけた気になったりして、ナニカをかかえて流れてゆく。まさに「ナニカ」と「ナル」、言霊、呪い。
それを「かわっていく」「ある」にかえたとたん、言霊、呪いがほどけてゆく瞬間をみせてもらった、ような気がした。
咲く椿に、艶やかな薔薇に、昇る龍に、深い山々に、線に、今は会えない人たちや過去の自分、そして自分が、「かわっていく」「宿る」のが描かれていた。
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