「今回のMVPは篠原ゆき子で。」仕掛人・藤枝梅安2 村山章さんの映画レビュー(感想・評価)
今回のMVPは篠原ゆき子で。
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前作が江戸編なら、こちらは京都編。今回も街を俯瞰で見せる絵が効いている。別に特別な演出ではないが、ちゃんと地理を感じさせてくれるのがいい。
原作のエピソードをいくつか織り交ぜるのは今回も同じだが、彦次郎がメインの話が入ったこともあって、こっちのほうが詰め込んだ感はある。一本の映画としてのまとまりには欠けるが、よくいえば盛りだくさん。ゲスト扱いのキャラもみんな良く、おるい役の篠原ゆき子が、前作の天海祐希に続いて梅安のミソジニーに影響するファムファタルを思わぬ角度から演じていて、ステレオタイプに収まらない佇まいや表情が素晴らしい。
椎名桔平は正反対の兄弟役を一人二役で。極悪非道な弟よりも、一件真人間風だがろくでもない小物感を醸している兄の演技が印象的。
役の大小に限らず、役者ひとりひとりが腕を振るう余地があるシリーズだと思うので、一作目の時も書いたことだがずっと続けてほしいし、このクオリティを保つことは時代劇の延命にもつながるのではないかしら。
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