「前半後半」X エックス なつ F列さんの映画レビュー(感想・評価)
前半後半
ポルノじゃん…と女ともと彼氏に呆れながらも、突然私も出演する!と言い出すロレイン。
一見、素朴そうな彼女も華やかに若さを謳い性を楽しむ達が羨ましかったのだろう。女同士は仲良しであり時にライバル。
必死で止めるRJにウェインは「いい子なんていない」と呟く。心音のようなリズムと共に部屋に入るRJ、女達にメイクを施され振り向いた彼女は素朴ではなく女を売りにした派手なメイクの美女に…外されるロザリオ。
そこが前半のクライマックスでいいのでは…て、くらい映画の半分はポルノ。それだけではなく、貸し手のじいさんの禿げ上がり方とかばあさんとマキシンとの初対面シーンなど良い映もある。カタンとなるレモネード。
ゆっくりと湖に浮かぶマキシンは十字架のよう。
農具を持ったばあさんのシルエットはXのよう。
ワニワニやちょいちょい入るテレビでのキリスト教教えの様子など伏線もたくさんあり、ギターの音色に載せて歌う曲にはねじ込む様にばあさんの様子が入る。そんなふうにちょこちょこ画面が切り替わる撮影が印象的。
このポルノは芸術芸術!とか言いつつ彼女が出るとキレて出ていくRJ。これほど第一被害者として相応しいキャラはいないな。
釘シーンもゆっくり歩いてくるので良き。
老夫婦はおいくつなのだろうと考えながら観て、若さ=美ではなく若さ=性欲という捉え方ではポルノは対角にあるなと。
ポルノは70.80年代の日本でも意外と身近にあった。
殺害シーンはホラー観点では薄いかな。
ばあさん1人でやっちゃうとか思ったらじいさんも手伝ってるし。しかも前例があったのね。
殺害シーンよりも眠るマキシンにヌードのばあさんが若さを吸い取る様にねぶるように横たわり血まみれの手で撫でるシーンが怖かった。
ラストに散々許しを訴えていたテレビの中の悪に攫われた少女はマキシン。え?そんなラスト?しかしそれが良い。
エンドロールの最後の囁くような声が怖い。
70年代の衣装が可愛くてカントリーガール風エロマキシンがほんとに可愛い。
吹き替え批判者ではないが、この作品のマキシンはこの声を合わせて可愛さが出るので吹き替えで視聴した方が断然に良い。