「Crocodile」X エックス ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
Crocodile
孤立した古びた住宅、老夫婦、ポルノ映画撮影の生贄たち、予告の叫びっぷり。これは期待せざるを得ないと同時にどのタイミングでスプラッターが起きるか分からないドキドキにビクビクしながら鑑賞。こういうのに耐えれる強心臓が欲しい…。
中々に楽しく、それでいて恐ろしいテーマが秘められていたA24らしいスプラッターホラーでした。
良かったところ
・小刻みにやってくるスプラッター
正直前半は特に大きな変化がなく、エンジンがかかるのも中盤過ぎたあたりなので、そこまではスプラッターホラーではないなと思っていましたが、ギアが入ると首をナイフで遠慮なく刺し、扉の隙間から覗くプロデューサーの目に一突き、銃弾で思いっきりぶっ放し、ワニのいる川へ突き落とし、斧で指を削っては遠方からの狙撃で一撃、これをやっているのが爺さん婆さんというのも衝撃的ですが、自分の恐怖に打ち勝つために殺しを行う姿は清々しくも思えました。斧と扉はモロシャイニングですが笑
・老いていく怖さと若さへの渇望
作中はポルノ映画を撮っている設定なので、ひたすら役者の全裸が拝める作品ですが、爺さん婆さんも性欲満開でベッドまで軋ませてしまって…。そこは観たくないんだけどなぁと思いつつ見入ってしまった自分がいました。
・ミア・ゴス、狂気の一人二役
エンドロールで知り、1番驚いたのが、ミア・ゴスが少女と老婆を一人二役という相反する大変な役をやってのけたことに拍手喝采。
・カメラワーク
目まぐるしく動き回るような派手なカメラワークではないんですが、ワニの接近を見下ろすカメラワークには超ドキドキしました。じわじわ〜っと恐怖を煽ってくるのも最高でした。
惜しかったところ
・エンジンがかかるのが遅い
前述した通り、メインの話へ突入するまではポルノ映画撮影が肝なのでそこは悪くないんですが長い…。いざエンジンがかかってもテンポが少し鈍いのも惜しいです。もっとパパっと殺戮を起こして欲しかったですし、生贄枠が少ないのも勿体なかったです。あと3人くらい欲しかったなぁ。
テンポの鈍さに目を瞑れば爽快で楽しめるスプラッターホラーでした。前日譚の公開も決まったようですし、首を長ーくして待ちます。前日譚はテンポ加速してそうで超楽しみです。
鑑賞日 7/12
鑑賞時間 21:00〜22:55
座席 H-11