「【見栄っ張り男の、地に足のつかない生活をシニカルに描いた作品。ジュード・ロウが、薄っぺらい男を好演。今作は、観る側に”地に足の着いた生活を送る大切さ”を訴えかけてくる作品でもある。】」不都合な理想の夫婦 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【見栄っ張り男の、地に足のつかない生活をシニカルに描いた作品。ジュード・ロウが、薄っぺらい男を好演。今作は、観る側に”地に足の着いた生活を送る大切さ”を訴えかけてくる作品でもある。】
■イギリス人のローリー(ジュード・ロウ)は、アメリカでソコソコ成功しながらも、更に大金を稼ごうとアメリカ人の妻・アリソン(キャリー・クーン)と子供たちと共に、好景気に沸くロンドンへ戻って来る。
家は、大豪邸だ。
ローリーを迎える会社の同僚や社長たちの姿からは、ローリーの未来は明るいように見えたが・・。
しかし、アリソンはある日、工事業者への支払いが滞り、さらに貯金が600ポンドしかない事を知る。
◆感想
・ストーリー展開は粗い。が、今作ではローリーがアメリカン・ドリームをに囚われ続ける愚かしき姿を、ジュード・ロウが今までのイメージを捨てて、熱演している。
・アリソンが、ローリーの嘘八百”もうすぐ、大金が入る”と言い続けるも、全然金が入って来ない姿に愛想を尽かしていく姿を、キャリー・クーンが同じく好演している。
■アメリカから連れて来たサラブレッド、リッチモンドが突然死するシーンは、今作のテーマを暗喩している。
・ローリーが、深夜タクシー運転手に、”アンタの職業は何だい?”と聞かれ、”金持ちぶる事・・”と疲れた表情で語るシーンは、ナカナカである。
・子供達も、両親の軋轢を目にして、生活が荒れていく・・。
<今作は、観賞していて決して愉快な作品ではないが、観る側に”地に足の着いた生活を送る大切さを訴えかけてくる作品である。
そして、タクシーから途中で降ろされたローリーが漸く家に付き、妻と子供たちに”アパートに移ろう‥”と言うシーンと、その後家族そろって朝食を食べるシーンには、オハラ夫妻一家の将来の微かな希望が感じられる作品である。>
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