「なにからなにまでスゴイ」ファーストミッション Scottさんの映画レビュー(感想・評価)
なにからなにまでスゴイ
船橋を守っているヒーローの兄妹がいて、妹が初めて悪と戦う《ファーストミッション》を遂行するって話なの。
「ふざけてるけど意外にしっかりした脚本だな」と思って観ていると、いきなり始まったアクションがレベル高くて度肝を抜かれんの。
そして延々と長回しでやってくんだよね。「この長い手数覚えたの? まさかアドリブ?」と思うんだけど、どうも覚えたらしい。すごいな。そして一つ一つのアクションがレベル高い。
ラスボスに伊澤沙織が出てきて「おお、《べいびーワルキューレ》の人だ」と思うの。
それで敵を倒してミッション完了になって、「あれ? 映画終わり? 上映時間短いのかな?」と思ってると次のシーンが始まって、どうも時系列が戻ってるんだね。
「お兄ちゃんの負傷はそんな理由かよ!」ってバカバカしくて、そこから冒頭に戻って。
妹がミッションに出る出ないのシーンで「船橋のことなんてどうだっていいよ」から「船橋をなんだと思ってるんだ」になるところはスゴく面白い。この脚本はなかなか書けない。
その後の『はじめてのおつかい』の「私も好きです」辺りも面白かった。
それで『妹は護衛が20人だと思い込んでるけど、実は200人だ』があり、『だが妹のファーストミッションは成功させる』ために兄が隠れて敵を倒してくことにすんだよね。ここで「まさかの《カメ止め!》展開か!」って気づくの。長回しも《カメ止め!》パクリだね。
ここからは冒頭長回しシーンのネタバラシしながら進むんだけど、ハヤテのアクションがすごい。パルクール見てると惚れ惚れする。長回しシーンで「ん?」ってなったところも回収してもう一回ラストへ。「実は妹、気付いてました」の一言良かったな。
エンドロール後のシーンは「いらないだろう」と思ったのね。なくて十分に成立するし、むしろない方が面白い気もすんの。
でも考えたんだけどね、これ、監督が「この出演者たちを悪役にしたくない」ってことなんだろうなって。そういうところも良かった。
出演者に長野じゅりあがクレジットされてんだよね。「敵役の誰かだったのかなあ、気付かなかったなあ」と思ってパンフレット見たら、なんと、美人秘書役の人だった。
長野じゅりあすごくキレイになってた! ビックリ!
この秘書役の人は「アクションはできないけど、見た目キレイな人をいれとこうか」って感じで配役されたと思ってたの。
だから、あんまり長野じゅりあのアクションシーンないんだよね。でも、長野じゅりあにアクションをさせなくても大丈夫なほど、他でアクションが溢れてる。そこもスゴイ。
なにからなにまでスゴイと思ったし、アクション映画について監督・脚本・演者で人材が揃ってきてるね。面白い作品がどんどんできると思うから、どんどん作って欲しいな。