夜を走るのレビュー・感想・評価
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最後は指導者になる男の話
※星取り表は苦手。何か書きたくなった時点で星5つ! 分かりやすい=おもしろい いや、分からない=つまらない という傾向にある昨今、 分からなさに出会えてラッキー! という世代は時代遅れな昨今、 スマホの電源入れっぱだと すぐバレるだろ、 とか些末なリアルを求める昨今、 (だからこそ、そこに引っ掛からせないようにしたら?とも思うけど) 秋本が2人現れたり、 あの子と同じ恰好をしたり… ましてや、 谷口がシートベルトを外す音だけで 真実を伝えたり ぐじゃっとしたもののない映画は 映画じゃない!派の オールドスクールの映画ファンには 観やすかった …というか、見心地がよかった 要所要所に軽妙なセリフのやり取りとか 不気味なキャラたちの妙味もよかった 玉井らんちゃんのリアリティというか あれもよかった。 それだけに、怖かったけど。 秋本への「やさし〜」としなだれかかるのは、特別な何かでもないし、 スの顔で「は?」みたいなのも「悪」ではない。 あちらにしてみれば、 過度な想いを持たれるのは違う、ていうだけのことだったのに… そして、最後に指導者としての 実に落ち着いて堂々とした秋本の声に、 そっと目をそらす自分がいた 足立さんのダンス、よかった 不自然さが自然で ちゃんとアートでもあった カーテンの隙間から見ている 秋本の泣き顔 めちゃくちゃ身につまされる 想いがあった どうしてこうなっちゃったのか……
アキモトさん、生きていて何が楽しいんですか?
ギターが唸って始まって、行く先の不安を煽る。真面目なだけでなんの面白味もないアキモト。世渡りが上手そうだけど家庭内がぎくしゃくしたタニグチ。対照的にみえる二人が起こすある出来事。展開は、宇野祥平扮する役が登場してから「ええ?そっち?」という驚きもありながら、真面目だけが売りだった人間が壊れていく姿を描く。たぶんアキモトは、自分を肯定してくれる人を待っていたんじゃなかな。それまで自分で自分を肯定してあげることができなくて、でも、その方法、手段、思考を手に入れて、そこから何かが変わっていく。いや、壊れていくんだけど。でも本人は変わっていく意識はないかもしれない。ただ、「周りが動いているだけ」なのかもしれない。企画に、大杉漣の名前あり。ストーリーを思い返して、さもありなんって感じ。
皆の逃避行に吸い込まれ、じめっと感が良い
2022年劇場鑑賞51本目 秀作 68点 気になってはいたけど、スルーし、思いの外高評価で結局鑑賞した作品。 一言で言い表すと、凄く稀有な作品だと思いました。 同時に言葉で表現するのもとても難しい作品でもあって、全体を通して薄暗さを絵でも内容でも良く表現された作品でした。 よく見ると宇野さんや松重さんなどキャストもポイントポイントで豪華で、特に宇野さんのビリーバーズ同様に頭が一直線な方向にいっちゃった人をよく表現されていました。 随所に印象に残るけど上手く言葉に言い表せない場面が多かったので、またの機会に見返した考察を深めたい次第です。
あの結末もこの結末もありきたり、で結がなくなり中盤はさ迷うばかり。...
あの結末もこの結末もありきたり、で結がなくなり中盤はさ迷うばかり。酷い映画なのかもよくわからない。邦画が傑作まで届かないのはこういうところなのか。
スパークする夜。
色々と面白かった。タイトルやポスターを見る限りシリアスな逃亡劇なのかなと思っていたけど、こんな異色とは聞いてなかったです。社会の片隅で日々淡々と生きる真面目だけが取り柄の中年男秋本がある夜をきっかけにスパークするお話です。無敵になった秋本をもう誰も止められません。 終始先の読めない展開が繰り広げられます。夜の公園で、女装して後ろ回りした挙げ句謎のコンテンポラリーダンスとか、そんな発想持ち合わせてないですから。全く目が離せませんでした。そして秋本でちょっと薄まっているものの谷口もめちゃめちゃ卑劣なんです。玉置玲央が見事なキャスティングでした。 きっと秋本にしか聞こえない壊れたスマホから鳴り出す着信音。相手は愚行の一部始終を知るその電話の持ち主か、あるいはもしかしたら秋本自身なのかもしれない。罪悪感も背徳感も後悔も。いかなる行いも必ず自分に返ってくる。秋本はもちろん。谷口も然り。
ちょっと上辺だけの印象
うーん、深みを感じられない作品でした。なんだろうなぁ、すごく弱い奴が泣いたら強いって感じのお話なんだろうか?何を描きたかったのか?結局テーマが分かりづらく見終わりました。 秋本の最終形態はただ狂ったようにしか見えないってのが残念。狂う理由も不明。それと洗脳ってもっともっと怖いものだろ思います。 秋本の相方(名前忘れてしまいました)の闇の根本がみえない。 死体の扱いで色々と周辺が大変になるくだりが何をしたいのか?ようわからん。 映像でも色々と想像させる思わせぶりショットが多くて、行間演出しているようなんだけど、何も伝わってこなかった(理解できなかった)。 などなど、色々書きましたが、本作は僕には合わなかったってことでしょうね。 勝手な思い込みですが、新井英樹の「ザ・ワールド・イズ・マイン」くらいのゾワゾワとワクワクが一緒に疾走してくるような破壊的な作品を期待していました。残念。
故・大杉漣氏との企画が、9年の年月を経て完成!嬉しい驚きのカルト映画。
予想を超えて、一筋縄ではいかない、面白い映画でした。個人的に嬉しい驚きを感じさせる不思議な作品で、観終えた時に麻薬を盛られたかのような?奇妙な高揚感、爽快感すらありました(笑)。邦画よりも洋画派で、カルトムービーや難解でも内容の濃い映画、芸術性の高い映画も好きで、予定調和的な商業映画よりも自分の世界観を変えてくれるような映画に飢えている、そんな私のような映画ファンにはオススメの作品と言えましょう。 スクラップ工場に勤める、真面目だが何処か不器用でうだつの上がらない一般庶民が主人公。平凡で、何の変化も無く、ただ時間だけが過ぎていく。そんな多くの一般庶民達と同じ憂いを持っています。それが、ある事件を契機に、今までの平凡で変化の無い人生が、急に大きく変わっていきます。そこから先は、映画を観てからのお楽しみ。 序盤はごく普通の映画のように思えるのだけど、少しずつ得体のしれない何かを作品から感じ始め、全く先が読めないワケの分からない展開に呑み込まれて、「何だこれは!」と思いながらも、魅力に溢れた面白さにグイグイと引きずり込まれる、そんな映画でした。観終えた後、「この映画を選んで、大正解だった」と思いました。前向きな気持ちで映画館を出て、何とも知れない嬉しい余韻が続いていました。その後、数日経過すると、またジワジワと効いてくる。そんな不思議な、麻薬のような作品でした。 惜しくも急逝した俳優の大杉漣さんと佐向監督が一緒に企画していたのが、この「夜を走る」という映画。それが9年の年月を経て完成にいたった、というのを知り、「これは観に行かねば」と、思い立ちました。幸い、上映後に監督と俳優3名がわざわざ来てくれて、舞台挨拶つき。めっちゃ贅沢なひと時でした。撮影中のエピソードや、出演した俳優や監督自身、この映画をどう捉えているかという踏み込んだ話題にも言及されて、理解がより深まりました。しかし最終的な判断は、自分の目で作品を観て確かめる事、それが全てとも感じます。 パンフレットは分厚く94ページもあって、映画関係者や評論家やミュージシャン等、様々な人達による秀逸な文章が寄せられていて、読み応えたっぷりの充実した内容でした。この映画が気に入った人なら、迷わずゲットが吉と思われます。 この映画を観て、「何が何だか分からない!」と怒り出すお客さんもいるかもしれません(笑)。 人を選ぶ映画だと言えるでしょう。ミニシアター通いをしているような映画ファンの人なら、この映画の底知れぬ魅力が分かるのではないでしょうか。現実と幻想が交差するイメージ映像等、難解に思われそうな箇所も少し出てきますが、こういう映像表現はだいぶ昔の名作映画でも多く取り上げられていた手法なので、様々な映画に精通している人なら、普通に受け入れられると思います。 見所は多過ぎて書ききれませんが、最近は優しいお父さんのイメージの松重豊さんが出ていて、物凄く恐ろしい韓国マフィアを演じているのが一つの名場面。他にもやはり人命の尊さなど何も感じていない残虐そうな中国人キャラがコメディタッチに描かれていますが、実のところ意味深です。メディアがあえて余り取り上げない為もあって、私達日本人は日常的に海外勢を余り話題にしませんが、実は非常に大きな問題が隠蔽されています。今の日本が海外勢力に食われつつある本当の現実を示唆している、そんな部分もきちんと描かれている映画だと感じました。ただいま絶賛上映中の「シン・ウルトラマン」でも、実は同じものが見られました。たんなるエンタメ映画ではなく、日本が置かれた状況を示唆した隠しメッセージも、しっかり込められているのです。 出来るだけ先入観無し、前知識無しで観るのが、この映画の一番最適な楽しみ方と思います。必ずしも一般受けするような分かりやすい映画ではない為、星4にしようかと思いましたが、最近観た邦画が個人的なハズレが多くてイマイチだったところへ、この不思議な魅力に溢れる面白い映画に出会って、思わず嬉しくなったため、最高評価の星5にしてしまいました。
観続けさせる力はある
静かな展開ながら、この先どうなるのだろうか、と期待感を持たせる作り方は良かった。 脇を固める俳優陣はもちろん見事で、特殊な撮影方法を使っていなくても、見飽きることはなかった。 ただ、メインキャラ2人の背景の描き方がとても弱い。色んなよく要素を添えすぎて、結果大事なことが抜け落ちてしまっている印象。 秋本はなぜあの行為に走ったのか? 主題の外堀の埋め方がもう少しちゃんとしてれば、もっと良くなった気がする。
偉いもんミセラレタ
題材は良いと思う でも構成や流れ 最後の結末 アンダーグラウンドオーバーグランドメジャー 監督はもっと映画を観た方が良いと思う 2時間の中で観ている人をどう言う気持ちにさせたいか 最後まで観て何を感じさせ帰らせたいか この映画には何も感じられませんでした 演技は最高 俳優さん達は良くやったと思う 俳優さん達で成り立った映画
全員、違う夜の道を走ってる。
評価が低いので自分で確かめに来ました。 結果は、、、凄い面白いじゃん! 小さな怒りや不満の積み重ねが人の人生、小さな工場を崩壊させる話です。人を殺す動機があった人など何処にも居ないのに事はどんどん収集がつかなくなって行きます。もちろんメインの2人は居るのですが一種の群像劇と見ても良いかもしれないかな。 落ちて行き方もそれぞれバリェーションが楽しめます。 信仰宗教、大陸系マフィア、不倫、濡れ衣、フィリピンパブ、特殊廃棄物処理、、、誰でも持っている小さな傷口がどんどん開いて大怪我になって行く様や救いの求め方、守るべき物の有無、、犯罪が連鎖して行く様子を楽しむ映画です。実際何箇所か笑えたりもしました(個人の感想です) 出演者全員バラバラに人生の夜道を突っ走ってましたww、 朝こなさそーww あ、死んだ人のスマホ電源入れたまま持ち歩いちゃ駄目だよ、すぐ足がつきますよ。 あと松重さんはマジ怖い。
これは酷すぎだろ。。
最近の邦画はレベル上がってきてるでしょという偏見で見に行ったらまさかの大火傷。 悪い意味でメチャクチャ。 要素が乱雑すぎる。 何が言いたいのかわからないというか、単に何も意味がない。 こういうの面白いよねってのを大して意味もないまま繋げただけという印象。 話が重い割に中途半端なコメディ要素が話のトーンと合ってなくて、笑ってみればいいのか、真剣に見るべきかわからなくなってる
足立の表情の柔らかさ
見方によってはファーゴやディック・ロングはなぜ死んだのかみたいにも思うがもっとシリアスなトーン。ドラマよりも停滞感を描くことに注力したのかな。展開はあるけれど、そこをドラマとして転がしていく気は薄い宇野が教祖役は殺人ワークショップを思い出す。性のところで少し古臭いところがあるが、監督も50ぐらいだから自覚的なのかな。シネコンの洋画とかが好きなあまり邦画に対して積極的ではない友達が誘ってくれたけれど、そんな層にアプローチしているのかな。洗車はクラッシュを思い出した。逸脱もかなりしているけれど、どこか疲れきった態度も感じられるのは、この年齢の監督ならではかもしれない。
こういうの好き。
誰も幸せじゃないし、 誰も笑えない。 あとあじがよろしくない。 こういうの好きなのであります。 川瀬陽太さんがいつ出てくるか待ってたけど 登場したときには興奮しながらホッとしました(苦笑)
“観る者すべてを異次元へと連れ去る 怪物的衝撃作”なんて、過激なキ...
“観る者すべてを異次元へと連れ去る 怪物的衝撃作”なんて、過激なキャッチを使えば客が入るという魂胆なのだろうが、とんでもなくくだらない映画だった。まあ、映画の宣伝文句ときたら、すべからく“嘘、大袈裟、紛らわしい”のオンパレードで、JAROに言いつけなければならないものばかりなのだが、今回もまただまされてしまった。 最もダメだった点をひとつだけ挙げると、スマホが女を殺す切っ掛けになったというのに、その女のスマホを電源を入れたまま持ち歩いていること。こんなことしたら、とっくに居場所を検知されて捕まっている。この程度のことも知らない奴が映画の脚本なんか書くなよ。話が成立しないだろ。
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