「錬金術より大切なもの」鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成 bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
錬金術より大切なもの
先日の前編に続く、2部作の後編。このシリーズの前の第1作目は、あまりにチープで期待外れであったが、本シリーズの前編では、製作陣が、気合を入れ直して製作したのが、スクリーンを通しても伝わり、本編も楽しみにしていた。
本作は、完結篇でもあり、エンドロールに映し出された、多くの海外のスタッフ陣を見ても、入り込み具合が半端ないのは感じた。かなりのCGを駆使して、中世ヨーロッパのような時代背景や街並み、壮絶な戦闘シーン等、原作を損なわないような世界観を、映し出していた。ややCGが見え見えのシーンもあったが、アニメばかりが人気を博す昨今の映画界で、実写化作品としてよく頑張っていたと思う。
原作が未読で、内容もこれまでの映画だけからの情報しか持ち合わせていないため、最初の展開やそれぞれの人間関係がなかなか掴めなかった。特に、エドワード達の父親役の内野聖陽が悪役との2役であり、ちょっと展開についていけない場面もあったが、後半で、しっかりとそれまでの不明な点を繋ぎ合わせ、回収してくれて納得。
勧善懲悪な命がけの戦いの中に、共に闘う戦士同志の友情、エドとアルの兄弟愛、父と子の親子愛、そして、ウィンリーとのほんのちょっぴりの恋愛等、少年漫画の作品らしい、ベタな内容が満載の作品となっている。最終的には、錬金術よりも人を愛することを選び、メデタシ、メデタシのハッピーエンドというのも、漫画らしい結末。
また、こうした異国情緒あふれる作品を、日本人が演じると、どうしても原作の登場人物とのギャップを感じてしまうのだが、本作は、脇を固める、本郷奏多や内山信二、筧利夫、山本耕史などは、適材適所という他ない。また、舘ひろしや大和田伸也等の、ベテラン勢の豪華な俳優陣もふんだんに使って、違和感なく演じられていると思う。
そして、主演の山田涼介。やはり彼の魅力は中世的な美しい容姿。そこに、バラエティーで培った笑いのキャラも含めて、本作の主人公・エド役としては、この上なくピッタリに感じた。佐藤健の『るろうに剣心』のように、山田涼介の映画人生の中での、代表作品にもなったと思う。
グリ 高原さん(^^)コメントありがとうございます😊
漫画は、殆ど読まないの分、先入観なく,映画を楽しむことはできます。
これまで3作の中では,一番,楽しめた作品でした。