「狂える(クルエル)奴らが集うイカしたムービー」グッバイ・クルエル・ワールド ミニ映画野郎さんの映画レビュー(感想・評価)
狂える(クルエル)奴らが集うイカしたムービー
タランティーノの『レザボア・ドッグス』やガイリッチーの『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』を彷彿とさせるスタイリッシュな映像と音楽のクライム群像劇。
西島秀俊と斎藤工(『シン・ウルトラマン』コンビ)の共演や、オープニングからワクワクする雰囲気。
…が、目指すものが大きすぎて勝手に期待値を上げていたせいかストーリー展開と構成はもの足りなかった。
「裏切り者は誰だ」というキャッチコピーだったが、早々にネタが明かされてしまい拍子抜けした。登場人物やそれらの思惑もあまり交錯せず、それぞれすぐに解決するか終わってしまった。
ガンアクションもかっこよかったが、日常に銃のない日本社会では現実に描きにくいか。
拝金主義の経済や汚職にまみれた政治の世界に切り込むテーマはあるが若干薄かった。
それよりもタイトルの『グッバイ・クルエル(残酷な)・ワールド』の通り、鬱屈とした世の中で映画の時間だけでも爽快な気分になれる作品。
『さがす』『死刑にいたる病』と大作が続く脚本の高田亮にも密かに注目。
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