「自治体としては尊い仕事ではないか。」アイ・アム まきもと talkieさんの映画レビュー(感想・評価)
自治体としては尊い仕事ではないか。
作品の中ではリストラ?(規模縮小)の対象業務と位置づけられてしまうようですけれども。
その実は、社会の高齢化とともに、独居老人も増えているようですから、こういう仕事の需要は尽きないんじゃあないかと思いました。評論子は。
たとえ亡くなってから相当日数を経ての発見となり、遺体の状態が良好とは言えない状況であっても、また複雑な人間関係が背後にあったりして、肉親が遺体を迎えには来ないような状況であったとしても、生前、人はそれぞれの人生を生きてきていた訳ですから、行旅死亡人の取扱いように法律的な根拠がきちんと決められているわけではないとしても、死者に対する礼を尽くすということから言えば、住民の福祉のために働くという自治体(市町村)としては大切で、尊くもある仕事なのではないかとも思います。
実際の福祉行政の現場では、このようなケースでは、生活保護の給付対象となる内容に準じて簡素な葬儀が、福祉担当者と葬祭業者とだけで簡単に行われ、遺骨は無縁墓地に埋葬されておしまいとは聞き及びます。
本作はリメイク作品ということですが。
本作なりに、牧本(阿部サダヲ)のキャラクターという「味付け」がされていることは別としても、元作をそのまま追想できる内容に仕上がっていた点は、評論子としては、嬉しくも思いました。
その意味では、佳作であったと思います。
(まったくの余談)
自分の仕事を廃止しようと躍起になっている上司が大切にしているトロフィーの中に、なんと「あのような行為」…。しがないサラリーマンである評論子も、機会があれば同じようなことを実行してしまうかも知れません。
そこのところは、大九明子監督にお願いをしておいた方が良いでしょうか。
『誰か私をくいとめて』