「生者には愛されない」アイ・アム まきもと uzさんの映画レビュー(感想・評価)
生者には愛されない
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ちょうど今年、職場関係者が亡くなり、親族が引き取りも委託も拒否するという事があった。
何十年も貢献してもらった会社であっても、血縁上は他人であるため、葬儀はあげられず、密かに火葬のみ立ち会わせてもらいました。
そういった経験もあり、市役所員とはいえ牧本が自費で葬式を行っていたことに違和感が拭えなかった。
(自治体によって違うのか、原作の国では平気だったのかもしれませんが)
また、牧本の想いを現したかったのかもしれませんが、勝手に写真を引き取って収集するのはどうなんだろう。
まぁそのへんは専門知識もありませんので、頭の隅に追いやります。
本人はいたって真面目ながら、アンジャッシュ的な会話がコントのようで面白い。
(「牧本さん子供いる?」「要りません」「あげないよ」はテンポも良く、お気に入り)
牧本のバックボーンは欲しかったが、後半までの流れは楽しめた。
が、終盤が色々と合わなかった。
・内縁ならまだしも、正式に婚姻していた相手との娘に警察が辿りつかない?
・小便はただの嫌がらせにしかならず、抗議ですらない
・死なせるラストは無しではないが安易に感じた
・牧本を見送るのが刑事と死者だけなのは、いくらなんでも報われない
特に最後は、市役所員すら立ち会わないのはおかしいし、結局身近な人からは愛されなかったことにならないか。
蕪木の葬儀にいない時点で塔子などは疑問を持つはずだが、そういう描写もない。
結局、ただあのシーンを撮りたかったんだろうなぁ、というのを感じて白けてしまいました。
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