「どんな人でも人生に爪跡を残してるんだ❗️」アイ・アム まきもと アローさんの映画レビュー(感想・評価)
どんな人でも人生に爪跡を残してるんだ❗️
市役所のおみおくり係の牧本。かなりのKYだが
憎めない。身寄りのないお骨に囲まれながら仕事をしている。自費で葬儀をやったり、亡くなった人達の写真でアルバムを作ったりする執念のような、取り憑かれたような彼のバックボーンはなんだったのか?自宅は余計なものがない白と黒を基調したサッパリした部屋だが、電子ジャーが骨壺風なのは気のせいか。
おみおくり係の廃止が決まって最後の仕事、蕪木(宇崎竜童)の葬儀の為に、彼の人生を遡っていく牧本。天涯孤独のような人に見えたが、蕪木の人生の爪跡が様々な人達の心に残っていて、最後みんなに見送られて焼き場に向かうことができた。そこに牧村の姿はなかったが、彼の死は彼らしいといえば彼らしい。自分で買った墓を蕪木の娘に譲ったのは、まるで自分の死を予感してたかのようだ。とにかく真っ直ぐな牧本。彼もかなりの爪跡を生者にも死者にも残したことが、ラストシーンで伝わってくる。
牧本演じた阿部サダヲの振り幅の広さには感服します。孤独死はこれからもっと増えていくでしょうが、自治体レベルではなく、国レベルで
孤独死庁みたいなものが出来る時代も来るのではないか。そんなことを考える以外と社会派要素の強い作品でした。
今晩は。
今作は、オリジナル作品に敬意を表しつつ、仰る通り今後の高年齢化社会に対し、”どうして行くんだ!”というメッセージが込められた作品だと思いました。
それにしても、阿部さんの芸風の幅には今更ながら驚かされた作品でしたね。
今後の日本の無縁仏の葬儀の問題などもサラリと織り込みつつ・・。
「川っぺりムコロリッタ」や「マイ・ブロークン・マリコ」などを見ていると、今後の日本では、”直葬&散骨”が主流になるのかなあ、と思った映画でもありました。では。返信は不要です。