「死から生を学ぶ」アイ・アム まきもと サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)
死から生を学ぶ
Tジョイさんの試写会に参加することが出来ました!ありがとうございます♪
阿部サダヲが主演のコメディということで期待していた反面、予告が若干チープな作りで心配だった本作。でも、ちゃんと笑えて、ちゃんと感動する、良くも悪くも日本映画らしい作品でした。
「死刑にいたる病」では、恐ろしい連続殺人鬼を熱演していた阿部サダヲですが、本作も榛村に負けないくらいの演技力を発揮してくれました。なんかこの人の演技って、もうその人なんだよ。役とかじゃない。死刑に...では、連続殺人鬼にしか見えなかったし、この映画では迷惑な常識知らずの人にしか見えなかった。表情とか身動きとか、純粋すぎて怖い笑 この牧本という役は、阿部サダヲ以外思いつかない。殺人鬼イメージから迷惑男イメージへと変わりました笑
1人の葬儀を挙げる話って、どうやって2時間話を持たせるんだろうかと予告から思っていましたが、話の構成がとても上手く、だれることなく描けており、2時間楽しむことが出来ました。阿部サダヲのコメディアンぶりがあって劇場がビックリするくらい笑いに包まれる、コメディ映画としての魅力もありながら、「死」がテーマということでヒューマンドラマとしての重みも十分にあります。死と向き合うことで、生について考える。主人公・牧本の成長に心がうたれ、すごく勇気づけられました。心の動かされ具合でいえば、「川っぺりムコリッタ」より大きいかも。この作品の方が身近に感じたからかな。
満島ひかり、松下洸平、國村隼、宮沢りえなどの安定した演技に安心して身を任せることが出来たし、細かな演出がいいスパイスになっていて深くて上品な作品へと仕上がっていました。しかし、予告で感じていたことはやはり的中。作風がなんだか安っぽい。そして、作りが若干甘く、キャラクター設定やらストーリーに関する大切な部分が抜け落ちているように思いました。すごく惜しい。★4.0よりの★3.5です。最後が駆け込んでいたのも気になったかな...。
もっといい映画になったのに、と思わずにはいられませんが、阿部サダヲを初めとした豪華キャストが生き生きと楽しんでおり、笑いあり涙ありの鑑賞後はホッコリした気分になれる映画です。公開は9月30日です。ぜひ、大切な人と劇場でご覧下さい。