「欲しいもの、観たいものが手に入らなかった感。」月の満ち欠け chi-co.さんの映画レビュー(感想・評価)
欲しいもの、観たいものが手に入らなかった感。
原作未読。
グループのファンなこともあり、観に行きました。
最初のカット、遠目の大泉洋が漁港?を進む姿をカメラが横に流れるように追う。まずそのカメラワークが気になり、そして以降、誰かが走る度に、誰かが誰かの手を引く度にそれが多用される。意図していたものなんだろうか、と観終わってからも考える。
おそらく原作、小説の形だとそれぞれの瑠璃がもっとはっきり描かれているような気がする、読んでみないと分からないけれど。それが、映像化では上手くいっていなかったのかもしれない。
それぞれの役者は良い。ただ、ストーリーの展開が突発的だった。物分かり、察しの良い人達ばかりだった。
そして時代背景やその時代を意識してなのかセリフ回しに違和感があった。あの頃の人達はそういう語尾を使っていただろうか、使っていたかもしれない、でも違和感。
違和感は違和感を呼んでしまう。1981年などと映し出されても、納得がいかないと思うのは実感がないからか、私のせいか。
ホラー化してしまったのを残念に思うのも、角度を変えれば、じんわりあたたかいものに、又は生まれ変わりを信じて救いにもなったかもしれない、という期待からか。
ただし残ったのは、あきらくんへの執着と貪欲さだったようにも思う。面白くなかったわけじゃない。丁寧さが欠けただけだ。
劇中歌、アテレコなど、音にこだわりを…と思っただけだ。
それらは原作を読まないと答えは出ないんだろうなあ。
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