「「キミスイ」の次はコレ」今夜、世界からこの恋が消えても Minaさんの映画レビュー(感想・評価)
「キミスイ」の次はコレ
病気、日々の出来事を綴ったノート、明るい人気美女、真面目で物静かな草食系男子・・・どこかで見覚えのある作品である。2017年公開の、「君の膵臓をたべたい」だ。そして同作で監督を務めた月川翔が本作では脚本を務めている。原作がある為、独自路線のラブストーリーかと思いきや、ここまでアイテムが似ているとは。
だが、これらアイテムは共通のポイントがある。それは、泣けるという事だ。実際泣きはしなかったが、自身が子を持つ親だったり、そんな様々な境遇であれば泣いていたかもしれない。
事故に遭い、寝ると記憶が無くなるという使い方を間違えればとんでもない事になりかねない厄介な後遺症に苦しむ女の子と、ひょんな事から彼女と交際する事になった心優しい男の子。 それぞれ交わることの無い生活だったのが、ちょっとした事で数奇な運命に囚われていく。それぞれにドラマがあり、上手い具合に2人の関係に溶け込んでくる様になっており、物語としての構成は上手いと思う。
そして、突然やってくる「その日」。人生は儚くて、あっという間で、何が起こるか分からない。明日が当たり前のように来るなんて思ってはいけない。それを日々の生活で忘れてしまいがちだが、そんな事に気付かされる作品だった。
本作にしても、「君の膵臓をたべたい」にしても、原作を未読のままで良かったと思う。小説を映画の尺に収めるとやはり省略する部分もあるし、オリジナルの描写も入ってくるはずだ。そんな事を考えずに素直に感動するには無知が1番良い。これから原作を読んでみると、より一層入り込めるかもしれない。
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