「インド映画の応援が、差別の助長につながらないよう学びたい」燃えあがる女性記者たち sow_miyaさんの映画レビュー(感想・評価)
インド映画の応援が、差別の助長につながらないよう学びたい
インド映画が、数多く日本でも観られるようになって、インドに親近感を覚え、何となく国内の様子もわかったつもりになっていたことが恥ずかしい。
カバル・ラハリヤ社内の様子や、家のそばでの取材場面を除いて、画面に出てくるのは男ばっかり。それも、インド映画に登場しそうなカッコつけ男は女性記者を揶揄し、取り巻き連中たちは、それをニヤニヤしながら見ているなど、情けなさすぎる。彼女たちを支えてくれていると思った夫たちも、家事は全くしてない上に、仕事で遅くなったことを責める様子に心底ガッカリ。それなのに、この上、更にヒンドゥー至上主義を唱えて男たちが盛り上がっている様子には、本当に背筋も寒くなった。
義勇団の彼も、よく取材を受けてくれたと思うが、政治家になろうとしているのに、訴える中身は余りにも空っぽ。
それを鋭く咎めることはせずに、微笑みながら、じっくりと話を聞くミーラ記者の構えは素晴らしいが、批判な視点を持ちながらも、そのような相手の感情を害したりプライドを傷つけたりしない姿勢は、自分の命の危険を避けるために身につけた防衛的な振る舞いなのかもと思うと、やるせない。
あと、世間体とか、ケガレ意識とか、日本特有みたいな言われ方をされることがあるが、インドでもあるんじゃんと思ったら、余計に根深さを感じてしまった。
いずれにしろ、ダリトという被差別階層の、しかも女性記者たちの視点から見たリアルを報じ続けるという姿勢が、今後も守られ続けていくことを願いたい。
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