「誠実なハリウッド映画」アンビュランス maruさんの映画レビュー(感想・評価)
誠実なハリウッド映画
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CGではなくリアルにこだわった映画で、CGでは出せない生の迫力、臨場感・空気感が映像から伝わってきました。ヘリと車のチェイスシーンは圧巻。ドローンも多用でおもしろいです。台詞回しもユーモラスで、ストーリーは昨今の仮面ライダーの「勧?善?懲?悪?」のような間に?が入り込むような複雑さがない勧善懲悪。
平たく言ってしまうとうと8割カーチェイスなので、そういった意味ではマッドマックスにも似ているかなと思いました。ただ、ストーリーとして人種や退役軍人の問題、なくならない麻薬カルテルの存在など、タイトルの「救急車」は「社会」の比喩なのか、目に見える事件事故は救えるが、見えない問題は救えないような。
怪我をする→911→出動→救助→病院へ→助かる・助からない
「怪我をする→911→出動→救助→病院へ」が、救急車の仕事。そこから救えるかどうかは知らないというもの。これはヒロインも「病院に届けるまでが仕事そのあとはどうでも」的なことを言っていた。今回、この「救急車」が、兄のダム(ジェイク・ギレンボール)だったわけで。
兄のもとへ(911)→銀行強盗する(出動)→運転手をしろ(救助=兄のサポート)→現場へ(病院へ)→成功か・失敗か
本作は、この「成功か・失敗か」の道中がほとんどで、救急車に乗っている間は「成功」している。『シュレディンガーの猫』のような哲学的なメッセージも深読みすれば受け取れる。救急車には乗せる=救済措置はあるただそこから先はどうなるかわからない。アメリカ的な映画でした。なによりマイケル・ベイのアクション監督ぶりが最高です。
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