「ハイテクを使った追跡は面白いのだが」アンビュランス 耶馬英彦さんの映画レビュー(感想・評価)
ハイテクを使った追跡は面白いのだが
文字通り、疾走感がある。退屈せずに観られた。とにかく救急車で疾走する映像を主体にしたかったのだろうが、人物の背景の説明が少なすぎて、ほとんど誰にも感情移入できない。銀行強盗の計画の説明もないから、誰がどこにいて何をしているのか、よく分からない。それにドローンカメラが鬱陶しい。地上でのドラマだ。真上からの映像など必要ない。よほどドローンカメラを自慢したかったのだろうか。
よくわからないまま、救急車での逃走がはじまる。戦争の英雄の正義漢と兄のプラグマティズムがぶつかり合いながら、救急車はひたすら逃げ道を求めて進むが、現実なら100パーセントアウトな場面も僥倖に恵まれて切り抜ける。さすがハリウッドのB級映画だ。
ただIT関連のハイテクを使った追跡が面白くて、プロゲーマーがビデオゲームをクリアしている映像を観ているみたいだった。多分軍事技術の応用だろう。ここまでハイテクを使うのであれば、ドローンカメラは警察が使えばよかった。観客に直接カメラの映像を見せるより、警察が追跡に使っているのを見せたほうが、ドローンカメラも生きただろう。
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