「凄く興味深い仕事。」キャスティング・ディレクター ハリウッドの顔を変えた女性 masayasamaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0凄く興味深い仕事。

2022年4月12日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

NYとLAを基点にキャスティングという仕事がいかに重要か、そしてそれを認めない勢力の存在、を先駆者マリオン ドハティを中心にアメリカの映画史とともに説明する映画です。映画映像への愛、役者への興味とその可能性への想像力、原作脚本の深い読み込みがキャスティングという仕事を価値の高い物にしている。

日本にも同じ仕事はあるんだけど端役のキャスティングが主でなかなかこのレベルに辿り着けない。日本は事務所の力が強かったり、タレントありきで企画を進めるケースが多いからだと思う。なかなかキャスティングディレクターの才能が形になって見えて来ないのは残念な事だ(映画を見るとわかるがハリウッドでもそういう時期があったようだ)。

優秀なキャスティングが力を発揮した仕事の紹介が凄い。監督が語るキャスティングのおかげで作品の質がジャンプUPした事例。有名俳優達が無名時代キャスティングのおかげでいかにビッグチャンスを掴んだかと言う事例が凄い説得力あった。

映画作りにおいて監督が最終決定権を持っている訳だが(大作の場合、映画会社や出資者の意向も反映されるので監督が決められない事も多い)共同作業、チームワークの利点として上手く優秀なキャスティングと組んでいると作品の質が上がる事は明白なのにもかかわらず、実は古い監督達がキャスティングという仕事を認めていないという事実も面白い。

最後の監督、俳優達の謝辞でほろっときた。

masayasama