「ケイン・コスギの存在感に感涙の一作」劇場版 仮面ライダーリバイス バトルファミリア yuiさんの映画レビュー(感想・評価)
ケイン・コスギの存在感に感涙の一作
『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』に続いて鑑賞。スーパー戦隊シリーズと同様、仮面ライダーも近年はほとんど観てこなかったので、興味津々でした。そしてその現代的なアップデートぶりに感心と驚愕。ひとシーンごと、あるいはなんだったらひとショットごとに、「絶対普通の撮り方はしない」という作り手側の気迫、というか執念を感じる絵作りで、さらっと見過ごせる場面がほとんどない盛りっぷり。俳優達のみごとなアクションや大爆発は基本で、そこにふんだんにCGや特殊効果を追加しているので、ずっとパチンコかゲームのCMを観ているのかと思うほどの派手さ、スピード感。これを「ドンブラザーズ」の上映時間のほぼ倍、約60分間ずっと見せてくれるんだから、もうなんだか良く分からないけど、感謝の念すら湧き上がってきました。
正直変身ベルトのギミックは良く分からなかったけど(スタンプ?)、その動きを見ているだけでも楽しく、これは男の子は絶対ベルトが欲しくなるよなー、と思いました。地味に驚いたのは、変身や必殺技の音声はライダー本人ではなく、曲紹介よろしく別音声だったこと。これが戦闘のライブ感を醸し出しているし、これまで密かにダサいと思っていた演出を、切り捨てるのではなく現代的に洗練させていて、この点にも感動。
もちろん前田拳太郎はじめとした若い俳優達のアクションはどれも見事なんだけど、やはりケイン・コスギの存在感は素晴らしく、アクションをせずとも渋さを増した顔のアップで闘志と哀愁を感じさせる演技はさすが。しかしシリアス一辺倒ではなく、要所要所で彼ならではの小ネタを入れてくる余裕も最高。キャスティングした坂本浩一監督に感謝。
「どうせ子供向け映画だろ」と侮っていたかつての自分にインフィニティ50ストライクをくらわせてやりたい(←よく分かってない)と思える作品でした。