ザ・ホエールのレビュー・感想・評価
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これを映画的と言わずしてなんと言う
恋人に先立たれた主人公は、その喪失感を埋めるために、暴食に走る。
夫に捨てられた元妻は、シングルマザーの重圧と世間の目を紛らわすために、酒に溺れる。
父に裏切られた娘は、二度と傷つかないために、人間をロクデナシと切り捨て世界を攻撃する。
兄を失った妹は、兄の恋人の面倒を見ることで、兄に何もしてやれなかった自分をなんとか保つ。
間違いを犯した若者は、神による救いを授けることで、自分の行動を正当化しようとする。
みなそれぞれ、単純化された行為によって自身が救われると思い込んでいる。鯨を殺せば人生がよくなると思い込んでいるエイハブ船長と同じように。
だが、そうはならない。なぜならそこには感情がないからだ。
この世で救いを得る方法はただ一つ。感情を持った相手に正直な気持ちを表明し、本心で対話すること。
それが成されたクライマックス。今までネガティブだった様々な事柄、その全てが一気にポジティブな方向へ動き出す。
説明セリフもなく、映像のみで表現されたこのラストシーンこそ、映画的と言わずなんと言うべきか。
こういう瞬間に出会うために映画を見続けていると再確認させられた。現状今年ベスト
リアルな体型かつ感動の物語
とにかくリアルな体型で驚き特殊メイクされている俳優さんが大変!本当に太ってしまうと生活になってしまうんだなぁとリアルすぎです。
勿論、子供との関係に涙です。
ただ最後は、、、ハッキリしたい方はなんだかなぁと思いますが、私はこういう結末もアリだなと思いました。
見応えのある作品
来日舞台挨拶
謝罪する男と怒れる人々の話
私の体調のせいなのか、
全く感動出来ないし、観ているのがきつかったです。チャーリーが過食で醜く太っているからではありません。彼がホエールなら私だってホエー豚みたいなもんです。
人物が入れ替わり立ち代わり登場してはセリフを言って退場するのはいかにも舞台劇ですが、有無を言わさずああだこうだ我儘を言うチャーリーや、突然現れてマシンガンのようにまくし立てるエリーには違和感があったし、頭が疲れて途中ちょっと寝てしまいました。
看護師のリズは、彼氏の妹とはいえ、生きようとする意志が無い男によくあそこまで寄り添えるなと現実味を感じません。医療従事者は患者を生かすのが使命ですが、チャーリーは彼女にゆるやかな自殺の立ち合いをさせようとしていて、まともな人なら断ると思うからです。リズは見捨てませんでしたが、チャーリーは彼女の優しさに甘え過ぎだし、治療を必要としないのだから、別の介護士とハウスキーパーを雇うべきでした。元妻のキャラクターだけは理解できます。
「白鯨」を読んでいないので、本作が描く『鯨』が悪なのか、それとも誇り高い生き物なのか分からないのですが、テーマが魂の解放のようなので、周りに左右されずに強い意志で生き抜く、ということかもしれません。ただ、チャーリーの場合、自分を抑圧して生きてきたわけではなく、身勝手な行動の結果なので、最後にありのままの自分を認める事が出来たからって、それは良かったねと思うだけです。ちゃんと観なかったから、私の理解が足りないんでしょう。
ラストが秀逸!
演技の迫力 引き込まれる世界観
主演男優賞とメイク賞を取ったという事しか知らずに視聴。
有名な小説「白鯨」がでてきてタイトルはあぁそゆことかと思って見ていたが最後でも更に納得。
豚などではなく、確かに「鯨」でした。
ブリーチングというらしいです。
本当にどうやってメイクしてるんだ?
動きもメイクも本物そのものでした。
そして話の内容だが、
失恋を食べる事で埋めたことで着いてしまった脂肪。
それにより引きこもり生活をする男の話なので、本当に一切外のシーンがなかった。
回想シーンや玄関でのシーンはあるが外の景観も分からず、拘りを感じました。
個人的に陰で人が通ったのを確認してるシーンとか特に好きです。
本当にいろんな気持ちになりすぎて感想がまとまらないけれど、一言に纏めるなら主演のブレンダン・フレイザー演じるチャーリーからは、死期が近い男の迫力がかなりすごく見ていて圧倒されました。
本当に凄かった。
エリーはどう育ったのかなぁ‥
なるほどなー
ホエール、吠えーる
「エブエブ」が作品賞を受賞"してしまった"、2023年のアカデミー賞は駄作だらけ、最悪の年だと思っていたのだけど、本作はめちゃくちゃいい映画だった。A24の作品の中でもトップクラスで好きかも。主演男優賞も、メイクアップ賞も大納得です。この作品以外考えられない!ってのは、実にパラサイトぶりかも。作品賞もこれで良かったと思うんだけどなぁ。
272キロの巨体を持つ男が主人公ということで、一部回想シーンを覗いて、彼の自宅のみで起こる物語。最近流行りの密室ワンシチュエーションもの。画はずっと変わらないため、結構飽きたり中だるみしたりしそうだけど、不思議と目を離さず見れてしまう。それは紛れもなく、本作で主演男優賞を受賞したブレンダン・フレイザーの圧倒的な演技力のおかげ。
可哀想でみすぼらしい姿でありながらも、自分の失敗を悔やみ、とある理由で病院へ行くことを拒む強い信念。こんな状況でありながらも、ポジティブで前向き。なんと言葉にしたらいいか分からない。彼の過去の経験と少し重なる部分があるためか、とても演技とは思えない葛藤や苦しみが体現されていた。おデブさんの虚しい物語に留まらないところが、本作と彼のすごいところ。監督やフレイザーがこの作品を通して伝えたいことが明確に示されており、観客は制作陣の強い思いに胸が痛くなるほど苦しく、悲しくなる。
しつこいようだが、ブレンダン・フレイザーの演技力が本当にすごい。ジョーカーぶりの衝撃。どうしてここまで心を掴む演技が出来るの?なぜ、狂気と優しさを抱えた難役を、これほどまでに自分のモノに出来るの?ラストには鳥肌が止まらなかった。思い出しただけでも、震えが止まらない。この作品が絶賛されるのは紛れもなく、彼がいるから。介護士の友人、娘、そして元妻との会話に胸に胸が打たれる。一つ一つの会話が辛くて、印象深い。近年ドラマのベストだ。近年アカデミー賞受賞作品のベストだ。
色々と考えさせられるものがこの作品には詰まっている。そういう面から何度観ても見応えのある作りに仕上がっていて、そこが高評価に繋がったんじゃないだろうか。久しぶりにオスカーと意見が一致して嬉しい笑 万人受けするかは微妙だけど、私はかなり楽しめました。ストーリーは平凡で、物足りなさはあるけれど、すごく重厚感のあるいい作品です。ぜひ、劇場で。
感情を完全にもってかれた。
いわゆる密室劇で、パーソナルな物語。舞台劇のようや小さな設定に「人は人を救えるのか」といった重いテーマは、登場人物たちの演技力に、前のめりで見入ってしまうほどの迫力を感じられた。レトリックや伏線が重ねられて複雑にも思えるけど、軸はブラさずにエンディングに進んでいく流れは好印象。しかもポジティブに。久々にいい映画を観た。
末路
タイトルなし(ネタバレ)
摂食障害・同性愛の映画だと思って見に行ったが、どちらかというと(カルト)宗教映画であった。(それが駄目だということではもちろんない。)人は人を救済できるのか?ということ。
ブレンダン・ブレイザーの演技は見事だが?
アカデミー賞作品賞候補だったザ・ホエールは
主演男優賞ブレンダン・ブレイザーの演技は素晴らしかったが、作品全般からすると分かりづらく、作品終盤でやっとこの作品のポイントが見えてきただけにもう少し分かりやすくしてほしかった。観た感触がイニシェリン島の精霊を観た時と同じ感覚。題名がそのままこの作品のキーワードとなっているし、英文学に関心がある方は興味深く鑑賞できる内容。物足りなさは残る。
確かに傑作
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