「人間は素晴らしい」ザ・ホエール Another Popcorn Timeさんの映画レビュー(感想・評価)
人間は素晴らしい
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人生における辛い境遇に置かれた人々の壮絶な生き様から見える人間の「素晴らしさ」とは。
チャーリーの家の扉を叩き、「救済」というキーワードを発する登場人物たちは、それぞれの想いを部屋で吐露する。チャーリーを必死に助けようとするリズとトーマスも暗い過去を持ち、救済を求めている。この作品は、単なる人間ドラマを超え、宗教や社会問題の枠を超えた究極の人間の本質に迫っており、とてもその点で楽しむことができた。
登場人物たちは、まさに人間そのもので、人生で過ちを犯している。小さな過ちから、取り返しのつかない過ちまで...。その中で救済される者とされない者には、どんな違いがあるのだろうか?
この作品を通して、「正直でいること」が救済の鍵になる。「人間は素晴らしい」という言葉が作中でも出てくるが、完璧ではない人間性を正直に口にすることが、救済の一歩になっているのではないか。正直でいることは、ときに大切な人を傷つけることにもなる。しかし、その葛藤の中で生きる人間の姿に深く感動させられた。夫婦・家族関係、親子関係、師弟関係、友人関係と、さまざまな想いがぶつかり合う演技は、残酷なまでに心に刺さる。
「白鯨」は読んだことがないが、読めば文学的な深みが増すのかもしれない。でも正直また気軽に観たいとは思えない...笑
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