「これも重い」ザ・ホエール 蜷川吝塀さんの映画レビュー(感想・評価)
これも重い
今夜(2024/11/02)観ました。
ダーレン・アロノフスキー監督らしさを全面に感じさせる哀しい作品です。
極少数のキャストはいずれも精鋭で、このキャスト以外にはこの作品の大成は成し得なかったと思います。
主演のブレンダン・フレイザーの演技力は、細かな目配せを始め、絞り出す様な声の出し方、本当に苦しそうな息遣いや咳き込み方など、どこを観てもケチの付け所がありません。
娘のエリーを演じたセイディ・シンクは思春期反抗期丸出しの生意気な小娘を見事に演じ、本作の暗い雰囲気に、良くも悪くも明るさや色味を与えてくれています。
義理の娘のリズ、チャーリーの元妻のメアリー、宣教師のトーマス、ピザ屋さんのダンはちょい役でしたが、誰もが魅せ場があって、少しだけ長く感じましたが目が離せませんでした。
アロノフスキー監督らしい辛くて痛くて苦しくて悲しい映画ですが、惹きつける魅力を備えている作品で、スマホも弄らずに集中して観る事ができました。回想シーンに頼らない観せ方に脱帽しました。
重いコンセプトですが価値ある作品です。頭から尻尾まで没頭して観てください!
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