「【”塔のフォルムは”A”に見える。”今作は、今やパリを象徴するエッフェル塔完成苦労の陰に秘められた、情熱と愛の物語なのである。】」エッフェル塔 創造者の愛 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”塔のフォルムは”A”に見える。”今作は、今やパリを象徴するエッフェル塔完成苦労の陰に秘められた、情熱と愛の物語なのである。】
■アメリカの自由の女神像の完成に協力したことで名声を得たギュスターヴ・エッフェル(ロマン・デュリス)は、1889年開催のパリ万国博覧会のシンボルモニュメントの制作を依頼される。
だが、倒壊を恐れる周辺住民やパリの景観を損なう事を主張する芸術家たちが反対運動を巻き起こし、建造は中止となりそうになる。
又、彼は友人で有力な記者のレスタック(ピエール・ドゥラドンシャン)の妻アドリアンヌ・ブールジュ(エマ・マッキー)と、パーティで会った時に、平静を装うが且つて二人は恋仲に有ったのである。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・冒頭、”史実に基づきながら自由に創作した物語と、テロップで出る。。”そういう事ね。”と思いながら観賞を開始する。
・ギュスターヴ・エッフェルとアドリアンヌの出会いは、彼が若きときに橋建設の際に、安全配慮が薄き工事現場で川に流された作業者を彼が助けたシーンであり、彼女は彼の工事安全を統括作業責任者であり父に求める姿に惹かれたのである。それが、後年、父に遺恨を残す事になるのだが。
・エッフェルが300mの塔を作ると宣言し、その設計図面を基に作り始めるが、周囲から巻き起こる反対の声。これは知らなかったなあ。今やエッフェル塔はパリの象徴なのに、最初は大変だったんだね。
・作業者のストライキ。滞る建設資金。そんな中、彼が思い出すアドリアンヌとの出会いと引き裂かれた別れ。彼の原動力の源が、久しぶりにあったアドリアンヌとの再会だった事が分かるシーン。”塔のフォルムは”A”に見える。”と言うラストのテロップも粋である。
・建設シーンはCGなのだろうが、見応えがある。一層を作れば、賃金は倍にすると労働者たちに告げ、ボルトからリベットに変え更に強度を増す工法に変えていくギュスターヴ・エッフェル。
<そして、彼は様々な困難を乗り越え、アドリアンヌが見守る中、”塔のフォルムは”A”に見える。”今やパリの象徴であるエッフェル塔を作り上げたのである。
今作はエッフェル塔感性の陰に秘められた、情熱と愛の物語なのである。>