ホワイトバード はじまりのワンダーのレビュー・感想・評価
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リトルバード
1942年フランスを舞台に、ナチスの侵攻で身を隠すことになったユダヤ人少女サラと、彼女を助けた同級生をみせる話。
ワンダー 君は太陽のアナザーストーリーという位置づけで、時代も違うしどういうこと?と思ったら、オギーをいじめて転校していったジュリアンのばあちゃんの話しですね。
ジュリアンにばあちゃんが自身の過去を語る体でみせていくものの、ワンダーとは全然関係なくて、営業的意味合いでアナザーストーリーということにしたのかなと…。
ポリオの後遺症で脚の不自由なトゥルトーと呼ばれる同級生に助けられ、彼の家の納屋で暮らすサラと彼の交流をみせると共に、非情な同級生ヴィンセントの振る舞いをみせる展開で、ちょっと出来過ぎだしもののけ姫かよ!な展開も…。
しかしながら、当時生き残ったユダヤ人たちは奇跡的とも感じる数奇な運命を辿って来た訳だし、物語としてとても面白かった。
ただ、実話ベースの話しと比べるとどうしてもぬるいのでこの評価。
自分に恥じない生き方をしていれば‼️❓いつも心は太陽だ‼️❓
ナチスのユダヤ人迫害は、ナチス独自だけで無く、多くのドイツ人やフランスをはじめとする欧州の人たちも加担していた、でも、ユダヤ人を命を賭して守る人たちも多くいた、その助けで生き延びた老婆が、いじめで退学した孫を諭して更生させる物語。
現代でも、そんな構図は、軽重に関わらず、綿々と続いている。
多くの人は損得を指針として生きているが、自分は自分に恥じない生き方をしてきたつもりだ、命まで賭けるわけでは無いけれど、ただ、損ばかりしてきたけれど、いつも心は太陽だ、後悔はしていない、この映画を観て、自分の人生は間違いでは無い、そう励まされたような気がした。
自分の不利益を顧みず人助けをすると、心は豊かになり、精神が清浄になる、改めて、再認識しました、有難うございました。
いやー、久しぶりの良作に感動。
勇気と人間愛
ワンダー君は太陽のアナザーストーリーです。人を命懸けで守る家族に助けられた祖母の生き様。泣けます。
遺伝子疾患で顔面が変形する難病を持って産まれたワンダーは小学校高学年になってやっと登校することができたが、その風貌から苛めにあう。
この映画では、ワンダーを虐めて退学させられた孫を心配する祖母が自身の生き様を伝えて、孫に自信を取り戻させようとするストーリー。
ユダヤ人の祖母はフランスに住んでいたがナチスに追われる。学校にナチス兵が来るが足に障害を持つ同級生の手引きで、その家族に命がけで匿われることになる。
そこから2年間納屋に匿われていたがナチス兵に見つかる。命からがら逃げ延びるが、その時彼女を助けてくれた同級生はナチス兵の銃弾を浴びて命を落とす。
息子をナチス兵に殺された夫婦はその後も戦争が終わるまで彼女を匿い実の娘のように暮らしていた、ある日父親が学校に現れ再会する。
祖母はその後結婚し子供、孫に恵まれるが、孫に自分の命を救ってくれた男の子の名前をつけたことを話し、孫に人を信頼すること、尊敬することの大切さを説く。と言うストーリー。
いま戦争している、特にイ○ラ○ルとかシ○アの独裁者どもに観て欲しい。
いじめとユダヤ人狩り
いじめの加害者として退学処分となり転校したジュリアンの所に、パリから祖母サラが訪ねてきた。孫を心配するサラは、彼に自身の少女時代について語った。1942年、ナチス占領下のフランスで、ユダヤ人のサラは、ユダヤ人を捕まえるために学校に来たナチスに連行されそうになったが、同じクラスで孫と同名の少年ジュリアンに下水道を通り逃げるのを手伝ってもらい、彼の家の納屋に匿ってもらった。その頃、ポリオで片足が不自由となりクラスでいじめられていたジュリアンに関心を払わなかったサラなのに、ジュリアンと彼の両親はナチスのユダヤ人狩りから守ってくれた。納屋から出れないサラに学校での勉強を教えてくれるジュリアンに対し、サラは次第に好意を持つようになり、終戦が近いというニュースが流れたが、ジュリアンは朝の通学で日頃通らない道を歩き、いじめっ子に見つかりナチスにチクられ、連行され・・・そんな過去を孫に語るサラおばあちゃんの話。
これもナチスによるユダヤ人迫害なのか、と悲しくなって観てた。いじめをする方は長いものには巻かれるタイプが多いのか、ナチスに協力して銃まで持たされ、ユダヤ人なら同級生でも撃ち殺しても罪に問われなかった、と言うのが異常なのだが、当時はそんな異常行動を異常だとも思わなかったのだろう。洗脳、教育とは恐ろしいものだ。
いじめはいけない、と孫に伝える必要性を感じ、孫の名前に過去愛した彼のことを語る祖母サラ。演じたヘレン・ミレンは流石だった。
本作では少女時代のサラが主役で、アリエラ・グレイザーの必死の演技が素晴らしかった。そして可愛かった。
人生の宝のような出会い
「本物の」優しさは外からはわからない
何故ならそこには見返りの期待も計算もなくて、その人は「普通のこと」として自然にやっているだけだから
願いは人を自ら動かし
時にはリスクや苦労、お金など厭わない
そんな人々も世の中には確かにいる・・・
決して逃してはならない出会いと
決して関わってはならない出会い
人生の宝にもなればトドメにもなり得る
そんな事を教えられた気がしました
エンドロールのスタッフ名に-ova(ワ、ヴァ)がつく方がすごく多く、また最後にチェコ共和国の全面サポート、とあったので、東欧でかつてご苦労された方々とそのご家族の温かい願いもこもっていたのかと、最後に思わされた次第です
隣のご夫婦に意表をつかれすぎて
泣いてしまいましたが
退席するまでちゃんと頬が乾く時間をくれたところにも感謝です!
何度でも独裁国家嫌悪は描き続けなければならない
「アンネの日記」ならぬ「サラのスケッチ」とでも言える感動作でした。前作「ワンダー 君は太陽」2017年の続編の扱いですが、原作者が同じで「いじめ」の根幹への考察と言った視点で結び付ける意義はありますが、ほとんど独立したストーリーと言って差し支えなく、しかもこれが見事に良心的な秀作に仕上がり、強くオススメ致します。前作で主人公を虐めた側の少年の疎外感を救うために、祖母が思わぬ昔話を聞かせられる構造。語るのがあのイギリスの名大女優に上り詰めた、しかしまたしても登場の多作出演感は否めないけれどヘレン・ミレンが扮してます。
ニューヨークはマンハッタンの守衛付きの高級マンション住まいである少年ジュリアンのもとへ、パリから祖母サラがやってきます。彼女の絵画の個展がメトロポリタン美術館で開催されるってんですからセレブリティですよね。忙しいジュリアンの両親に代わって孫の様子を伺いに、豪華なマンションで孫と夕食を囲む。転校した高校で馴染めない孫に、サラは思いもよらない過去を語り出す。
ここで一挙に1942年のナチス占領下のフランス北部の町に飛び、ユダヤの少女サラとフランス人の少年ジュリアンの苦難と悲劇のお話が展開されます。人種差別はしない「自由地域」なんて独裁政権下では嘘八百で、ユダヤ人狩りの波が押し寄せて来る。2人が通う学校の描写でも本作の根幹たる「いじめ」が展開され、それをきっかけに2人が接近、命からがらのシチュエーションでジュリアンがサラを助ける。個人のいじめと国家のいじめの対比がここでは肝要です。
「常に冬用の靴を履きなさい」の父の言葉が後の展開に活き、サラの描くスケッチブックが巧妙な小道具として本作を支える。いい映画ってのはこうした小技が効いているのです。1ページを使ってクラス一番のイケメン君の顔を描き、それが破られ、次にジュリアン君の顔が描かれる展開に観客は納得の感動を得ることが出来るのです。ジュリアンの両親の献身的な無償の愛が胸に沁みます。心優しきマリアのようなジュリアンの母親役のジリアン・アンダーソンは美しく聡明ですが、画面ではシャロン・ストーンに見えてしまいました、えっこんなイイ人を演ずるの? ビッチ女優が、と。
春夏秋冬の美しい風景をCGを駆使して鮮やかに描き出す、その美しい自然のもとで人間の悪魔の所業が描かれる悲劇。結果的に納屋に一年以上も幽閉状態であったサラにとって、時折見かける自由に空を飛ぶ白いハトが印象的に描かれる。ジュリアンが心込めて彫るのもハトでした、このハトが最後の最後まで登場するのも感無量。イケメン君は当然に傀儡政権側に組され、要所要所で主人公を死の淵に追い詰めるわけで、とことん「いじめ」として根幹を外さない巧妙な脚本です。
繰り返される言葉が「人間万歳」で、サラのラストのスピーチが「闇をもって闇を駆逐することは出来ない、それが出来るのは光だけ」が心にグサり、さらに現代の聴衆の中にジュリアン少年がにこやかに混ざっている光景は涙無くしてみれません。最後に現代パートにもどり、孫息子ジュリアンのちょっぴりの成長を描いて映画は終わる。
飽きもせず創られ続けるナチス糾弾の映画、もはや戦後80年。ですが独裁国家は増える一方、日本だって怪しい状態に既になってますでしょ、だからこそ描き続けなければなりません。多くは「実話に基づく・・・」とテロップが出る作品が多いですが、もとより本作は原作者の創作です。だから「ワンダー」の設定を引用してのサンドイッチ構造にしたのでしょう。
アウシュビッツ行きの列車と開放後にパリへ向かう列車、野原一面に咲き乱れる花々、凍てつく雪景色、情感たっぷりな画面が本作の品格を昇華する。本当に素直で美しい反戦作品でした。
この冬に見るべき美しい作品
期待度○観賞後の満足度○ これは『ワンダー 君は太陽』のいじめっ子ジュリアンの話ではなく、彼の祖母であるユダヤ人女性サラの人生の物語と思った方が良い。それくらい凄いヘレン・ミレンの存在感。
①いじめっ子の孫の根性を叩き直す為にお祖母ちゃんが子供の頃の苦労を話して聞かせる説教映画に堕していないのはよいが、さすがにこじつけが過ぎるようにも思う。だが、そこのところをを何とか結び付けているヘレン・ミレンの存在感と演技。
②ただ、劇中劇であるナチスドイツ占領下の物語のパーツが良くできているだけに、やはりここを独立した1本の映画にするか、ジュリアン(現代の方)の成長とをもっと有機的に絡めた脚本にすべきだったとは思う。
③人間の心に、自分は他人より上だと思いたい気持ち、自分より弱い或いは劣っていると思う(思ってるだけね)者と自分は違うと思う気持ち、仲間外れになりたくないという気持ち(これらは全て劣等感の裏返しだと思うが)がある限り、悲しいことに「イジメ」は今までもあったし、これからもあるだろうと思う。 だけれども、平和(一応ね)な時、衣食住が足りている時、自分は自由世界に生きていると思い込んでいる時、ややもすると人間の美しいたころ、優しいところ、愛おしいところは見えにくくなる。
この手の作品が増えるかも
まず予告編の時点で。
「リロ&スティッチ」「オズの魔法使い」「ライオンキング」「スパイダーマン(クレイヴン)」と続くので、知った世界の出来事ばかりが並ぶ。
かろうじてポン・ジュノの新作が新しい世界を見せてくれそう。
たしかに「コブラ会」が大当たりするし、「ラストマイル」に客が入るんだから、あのオギーをいじめたアイツのその後ですよ!!って言えば集客には貢献するんでしょう。
もうすぐ、「シックスセンス」のコール君は精神科医となっている話とか、部活を辞めた桐島が中年になって会社も辞める話とか作られるのかしら?
で、本作ですが、若い二人が素晴らしいのと、「ロングロングバケーション」で心を打たれたばかりのヘレン・ミレンの名演ってのがあろうとなかろうと、ナチのユダヤ狩りの話ですから、スリリングで感動的になってしまうのは当然のところ。
「人間万歳」の前には涙を流すしかないのです。
でもさ、オギーをいじめる前にこの話をしてやっておいてくれよ、とか、ユダヤ人狩りに加担することになるクラスメイトはもう説教聞けないんだなあとか、思ったりはする。
だから子どもたちや中高生にサラ婆ちゃんの話をきいてほしいと切に願うんだけど、客に未成年はいなかった・・・。
優しさという勇気
心の治癒の物語
『ワンダー 君は太陽』のもう一つの物語を題材にしたヒューマンドラマで前作でオギーをいじめた少年ジュリアンを主人公に退学処分になった少年のその後と彼の祖母の知られざる過去を描きだす。心の治癒の物語。まさか過ぎる『ワンダー 君は太陽』(‘17)の続編でこういう形で作品の精神が継承されるのも珍しい気がする。パラシオが書いた「ホワイトバード」を原作。前回で少年オギーをいじめた少年も心に傷を負いアナザーストーリー的奥行きに焦点をあてる。ユダヤ系の祖母の少女時代の話により迫害という根本が前回のいじめの物語とは繋がっている。いじめられた側のその後を書き足すのではなく、”いじめた側の心を回復させる”という中々ありそうでなかったもうひとつの続編に仕上げた。
暗い時代には光を持て
感服しました。清冽ながら、涙を誘う。
今その言葉は…
基本的には素晴らしい映画なんだけど、最初に苦言を…
1. 原作由来のようだが、あんまり「ワンダー 君は太陽」と関係あるわけじゃないので前面に出さなくて良かったと思う。
2. 自然や自然界の時の流れを安易にCGIで描く愚かしさを知るべき。舞台となった地の素晴らしい自然が台無し…
ということで気を取り直して…
前述の通り、ヒューマニズムに溢れた素晴らしい作品。特に、無償の献身がいかに大切で素晴らしいものかを、そしていかに犠牲と勇気を必要とするものかを、教えてくれる。「アンネの日記」から連綿と続く系譜の物語ながら、やはりその人間愛と対する憎悪に気付かされる。
しかしなによりも今日的なのは劇中の「闇をもって闇を駆逐することは出来ない。それが出来るのは光だけであり、それさえ出来れば二度と過ちを犯すことはない」というような言葉がいまや当のユダヤ人たちに向けられているのだということ。
逆説的に今日的な映画となってしまった皮肉をどう捉えれば良いのだろうか…
ジュリアンのようなジュリアンになれ
『ワンダー 君は太陽』の続編かと思って特に下調べもなしに観たら、はとこくらい別のお話。
自分のしたことを反省し、何もしないという選択をしたジュリアンに、おばあちゃんが昔話を始めることで、これからの彼の生き方に影響を与えるであろう結末は予想できた。
しかしそこまでの命懸けの道のりが素晴らしかった。
収容所送りから逃れる映画はいつもハラハラする、今作はおばあちゃんの少女時代の話だと分かっていても。
あの夜の列車はどの映画を観てもなんだか不安になる。
映写技師もやってるジュリアンがプロジェクションマッピングのような風景を見せるシーンは、光が綺麗でとても好き。
納屋が世界の全てになってしまったサラに、恋心ダダ漏れながらも勉強を教えたり、少しでも楽しく過ごしてもらおうとするジュリアンが、健気で可愛らしい。
"外に出る=死"という状況の中で、真夜中の森のシーンは幻想的で美しいけれど、人種的というか民族的な違いか、もっとぎこちない方がピュアな感じで良かったかなぁ。
戦禍を生き抜いたサラに触発された孫ジュリアンが、顔を上げ自分の意志で前に進む。
良い映画だった。
一瞬の気の緩みがもたらした悲劇
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