ホワイトバード はじまりのワンダーのレビュー・感想・評価
全105件中、61~80件目を表示
みんなに見て欲しい(「ワンダー君は太陽」を見てなくても大丈夫、というか無関係、というか見てない方が感動するかも)
見てよかったです。ぜひ、みなさんも見てください。可能な範囲で予備知識は0で。
ちなみに私は「ワンダー君は太陽」を見たことがありません。
教訓は「異性を見る目は大切」。
感想は「なのに彼(か)の国は今・・・」。
あなたに伝えたいこと
人生の過ちを経験し〝ただ普通に生きることにした〟と言う孫に祖母が「あなたのために」と伝え始める過去。
ここから広がる世界は終戦前のフランス郊外。
吸いこむ空気までたちまち変えながら物語は幕をあける。
ちいさな町にも及んでいたユダヤ人への迫害になす術もなくトラックに詰め込まれていく人々。
その傍らで人間が人間を分断するという不条理に抵抗する正義はひとかけらの尊厳も無く生命の重みとともに打ち砕かれた。
銃声が響きわたる山の斜面、雪の純白を散らしてごつごつした黒い樹々の間を転がるように逃げる赤い靴の少女サラ。
突然の絶望の淵に追われた彼女は同級生のジュリアンに助けられなんとか納屋に匿ってもらえたのだ。
あの状況においては奇跡的なラッキーだったには違いないが、罪もなく息を潜める暮らしや家族との離散、度重なる恐怖と不安に晒された少女の気持ちを考えるだけでどうにかなりそうだ。
そんなサラにとって、納屋に差し込む太陽の光の筋は生きる希望を、穴から見える鳥にはひとときの安心や父母と歌った唄にある勇気を、ジュリアンや彼の両親の無償の思いやりは自分の命を守ることにつながったのだろう。
ささやかなたのしみを見出しながら信頼で結ばれた二人はほのかな恋心も育む。
そう導かれたのはサラとジュリアンに共通する他に流されない心の強さと機転、豊かな想像力の結果だったのかも。
絵を描くのが大好きな少女の未来があのラストに繋がりそっと触れた木彫りの小鳥が映った時、静かな感動が満ちた。
同時に、サラが過去に心で受けとったものたちが後の人生を一緒に越えてきたこと、今後もそれらが彼女を見守るように在るのだろうという確信も。
また、祖母サラの話に耳と目と心を傾けて聴くspecial name=もう1人のジュリアンの姿をみてほっとし、真心が伝える言葉とそのぬくもりには計り知れない力があると信じている私の気持ちを温めた。
華やかで美しいあの石の道にも誰かの深い悲しみや喜びの歴史が幾重にも重なっていることに彼は気づき、きっとまた違う未来を一歩ずつ動かしていける。
時空を自由に旅する。
感じたままを浴びながらあらたな発見もする。
「果てしない空想の世界」はやっぱりいい。
またここにも映画の魅力がとくとくと溢れているかのようだった。
修正済み
ええっ!?続編だったの!?
2024年劇場鑑賞322本目。
レビューする前に映画ドットコムの紹介文読んでいたら「ワンダー 君は太陽」続編で、前作の主人公をいじめてた子がそのまま出てくるということで、タイトルだけでは記憶にありませんでしたが写真観たら確かに観てました。内容全く覚えてない・・・。ヘルメットかぶって宇宙飛行士になりきってたんでしたっけ?退学になるくらい壮絶なイジメだったかな。
とはいえそれを知ってたらより楽しめるというだけで、今作から見ても全く問題ないです。最後に現代の子の名前が初めて出てきて泣いてしまいましたが、前作の記憶がある人は名前最初から知ってたので泣いたのがちょっと恥ずかしいくらい(笑)
ユダヤの迫害を描いているのでずっと緊迫感があり心臓にはよくありませんし、全部うまくいくわけではないので結構きついですが現代につながる作りは良かったです。
何とも切ない ! 何とも美しい ! 何とも愛おしい !
何とも切ない、何とも美しい、何とも愛おしい作品かと思いました。
祖母の昔語り、誹謗中傷の的となるボーイ、趣味のレベルを超えた絵画、窮地に陥る若いカップル・・・
モチーフは大作の「タイタニック」ですね。
ストーリーを語るのは野暮でしょう。
たいへんな秀作でした。躊躇することなくシアターに足を運ぶべきです。
愛情にあふれた環境で育った人は、優しい人になる可能性が高いと聞きます。
逆のパターンもありますね。気の毒だなと感じることがあります。
「kindness(優しさ)」という単語は英語学習の初期に習った覚えがあります。
覚えるべき必須単語なのでしょうね。
一方、「love(愛情)」はかなり後だったとおぼろげながら記憶しています。
「I love you(アイシテイル)」は・・・恥ずかしくて言えません。
この年になって、家族には言えるかもしれません・・・かな ???
本作、愛にあふれて優しく美しい人がたくさん登場します。
そのたびに「自省しろ ! 」と耳に痛い声が聞こえてきます。やはり自省ですね・・・
アリエラ・グレイザー、オーランド・シュワートの若手2人が大好演 !
「何と健気な優しく可愛い子たちなんだろう ! 」と心震えました。
むろん、ヘレン・ミレンの気高さ、美しさにも圧倒されました !!
純粋な人助け?それとも下心?
まず序盤に描かれるものはユダヤ人への差別。
この映画を観れば子供でも「人種差別は良くない」ということが理解できる作りだと思うので、その意味ではこの映画を観る価値は十分あると思う。
ただ、観ていて「日本も同じじゃん」とも思った。
この映画でユダヤ人がされていることと、今の日本で移民難民がされていることが重なって見え、例えばクルド人へのヘイト活動をしているような人がこの映画を観たらどう感じるのか、興味が湧いてしまった。
この映画で残念だったのは、ジュリアンがサラを助ける前からサラに一目惚れしていたところ。
こんな設定のせいで、ジュリアンがサラを助ける理由が純粋な利他的行動に見えず、弱みに漬け込んで好きな相手を思い通りにしているようにしか見えなかった。
ジュリアンがサラに勉強を教える場面は、ジュリアンに下心(という言い方は言い過ぎかもしれない)があることを考えると、観ていて正直「キモい」と感じてしまった。
ジュリアンはサラが美人でなくても同じことをしてくれたのか、と余計なことを考えながら観ていた。
恋愛要素がノイズに感じられたので、この映画に恋愛要素は必要なかったと思う。
祖母がいじめの傍観者であったことを後悔していたのに、孫がいじめの加害者になっていて、遺伝の難しさを痛感。
シニア世代にこそ見てほしい、感動と勇気をくれる最高の映画
本作は、前作『ワンダー 君は太陽』のいじめっ子だったジュリアンが、祖母サラの語る物語を通じて変化していく物語です。この映画は、単なる過去の回想録にとどまらず、世代を超えたつながりと、個人の成長がどのように次の世代に影響を与えるかを問いかけてきます。
物語の軸は、第二次世界大戦中のナチス占領下フランスで、ユダヤ人の少女が命を懸けて生き抜いた回想です。この歴史的な背景を基に、祖母の語りが現代の孫に新たな希望を与える形になっています。
若い世代にとって、この映画は「いじめの結果が自分に返ってくる可能性」や、「人とつながり、積極的に生きることの価値」を伝えます。一方で、私のようなシニア世代には、「成長や成果を追求する人生」から、「次の世代に何を伝え、どのように振る舞うべきかを考える人生」への転換を促してくれました。
特に印象的だったのは、祖母が孫の前に現れるタイミングの絶妙さです。彼女は、ただ思い出話をするのではなく、孫がそれを本当に必要とする瞬間を待って話し始めます。この「時を待つ姿勢」と「信頼される関係性」は、私自身がこれから若い世代とどう関わるべきかを考えるうえで、大きなヒントとなりました。
また、映画を観ながら感じたのは、次の世代に何かを伝えるには、必ずしも実績や成果だけが必要ではないということです。必要なのは、相手が自分に寄せる信頼と、必要なときに寄り添える存在であること。祖母の物語は、私に「まだできることがある」という勇気を与えてくれました。
感動のシーンも多いですが、胸を打たれたのは、美術館で祖母が最後に語る言葉です。そのメッセージには人類への希望と愛が詰まっており、「自分も誰かに何かを伝えたい」と心から思わせる力がありました。
ただ、公開2日目で映画館が空いていたのは、本当に残念。前作の印象もあり、若い人向けの映画に見えるかもしれませんが、実は40代、50代以上の方々、特に「中年の危機」を感じていたり、職場で居場所を失ったり、若い世代とうまく接することができないと悩んでいる方々にこそ観ていただきたい映画です。この作品が多くの人に届くことを願っています。
まさか、こんな話だとは…
小鳥よ、小鳥 〜 心の中の光よ
1942年、ナチス占領下のフランスで、家族と平穏な日々を送るユダヤ人の美しい少女サラをアリエラ・グレイザーが、サラを手助けするクラスメイトの脚の不自由な少年ジュリアンをオーランド・シュワートが熱演。
ナチスから身を隠す為、納屋に匿われて生活を送るサラにとって、小さな希望の光となるジュリアンと過ごすひと時。僅かに明かりの灯された納屋でのシーンが、愛おしい程に美しい。
若き2人の透明感あるルックスが、この作品をより切なく魅力的にしている。
本作の導入とラストに登場する祖母サラを演じたヘレン・ミレン。年齢を重ねて尚知的で美しい彼女が語る言葉が心に響く。
多くの方々に観て頂きたい作品。
- 空想の世界は果てしない
映画館での鑑賞
タイトルなし
ワンダーのアナザーストーリー、より、実はヘレン・ミレンにひかれて観た作品
期待以上だった
心に残る作品はこうしてさりげなく現れる
ヘレン・ミレン演じるGrand-mèreが孫に自身の話として語り始めた時点で、サラが生き残ることは分かっている
それでは、どう生き残るのか、周りの人々はどうなるのか
良い予感などひとつもない中で物語は進む
実際にフランスの村には、ユダヤ人たちをかくまっていた人々がいたという
この話はフィクションだけれども、似たような話はたくさんあったのだろう
そして、この手の話は、常に、己の命もかえりみず誰かを助けようとする行為に驚かされる
選択肢が限られた中、果たして自分には出来るだろうか?
ジュリアンと家族の生きた日々、そして、名を継ぐ孫のジュリアンの心に残るもの
生き残ったサラの人生とそこから彼女が語ること
作品の中で出てくる数々のセリフとともに、深く深く心に残る作品になる
親切は勇気がある人しか出来ない。
「ジュリアン」という名にこめられた思い
全くのノーマーク作品だったのですが、大きな感動を与えてくれた2017年の「ワンダー 君は太陽」のアナザーストーリーであることを知って鑑賞してきました。ジュリアン役のブライス・ガイザーが続投し、いじめ加害者側の視点で展開していく点が興味深かったです。人として大切なことを教えてくれる作品であり、「ワンダー 君は太陽」を未鑑賞でも問題ないので、ぜひ多くの人に観てほしいです。
ストーリーは、級友をいじめたことで退学となり、新たな学校で人との関係に消極的になっていたジュリアンのもとにパリから訪ねてきた祖母サラが、自身の少女時代、ナチス占領下のフランスでユダヤ人である自分を命懸けで匿ってくれた友達ジュリアンと彼の両親との思い出を語るというもの。
サラの級友ジュリアンが、まだ子どもであるにもかかわらず、我が身に及ぶ危険を顧みずにサラに手を差し伸べる姿に心打たれます。心優しき両親に育てられ、自身も蔑視される苦しみを知っていたからこそ、命懸けでサラを匿い続けたのでしょう。そこにサラへの恋心もあったでしょうが、彼を突き動かしたのは目の前で失われそうな命を何とかしたいという、人としての優しさだったように思います。
他にも、子どもたちを命にかえても守ろうとする先生たち、サラを匿う中でなんとかしてサラの誕生日を祝おうとするボーミエ夫妻、夫妻の窮地を救おうとなけなしの財産を差し出す2階の夫婦など、他人のために命懸けの献身を見せる姿に涙が溢れます。
級友ジュリアンの姿を通してサラが語る思いは、孫のジュリアンの胸に深く刻まれたことでしょう。そして、その名に込められた思いも強く噛み締めたことでしょう。それは、私たち観客も同じです。第二次世界大戦終結から約80年、私たち人間は本当に何を学んできたのか、そう問いかけられているようです。戦争はしないが、それを終わらせるために何かをするわけでもなく、そこに深入りしないようにするだけ。それは、孫のジュリアンが「いじめから学んだこと」と同じではないでしょうか。そこに、愚かな戦争の終わりは見えません。
最後に、画家として大成したサラは、回顧展のスピーチでキング牧師の言葉を借りてこう語ります。「闇は闇では払えない。光でなければ。」と。憎しみと復讐の連鎖を断ち切るには、愛と優しさを命懸けで貫かなければなりません。それは、口で言うほど簡単ではありません。それでも、目の前の出来事に違和感や嫌悪を覚えて何とかしたくても、それを行動に移せない、声も上げられない人が多い中で、一歩踏み出す勇気を与えてくれる本作。今からでも自分にできる小さなことから始めてみようと思わせてくれます。
キャストは、アリエラ・グレイザー、オーランド・シュワート、ヘレン・ミレン、ブライス・ガイザー、ジリアン・アンダーソンら。中でも、名優ヘレン・ミレンの穏やかな佇まいから発せられる言葉が深く沁みます。
光と闇 Light and Darkness
前作は観ていない。
現在のように個人が告発するツールを持たない時代
ある意味、好き放題にできたことを
改めて確認。
ドイツの侵略が徐々に迫り
最初の約束事が簡単に
何の説明もないまま放棄され、
ユダヤ人たちが
突然、街中で拉致され移送されていく。
移送の仕方も大雑把だったんだろうなと想像する。
拉致、拘束、移送、処刑が
一見システマチックに見えて
あまりにも雑すぎるのが
見ていて苦しい。
それを生々しく描くことで、
主人公の少女とかくまう人たちの交流が際立つ。
ジョナサン・グレイザー監督の
映画「関心領域」と
同じ世界線と想像すると
人間の持つ両面性を考えてしまう。
本作はそれとは全く逆の内容。
負の側面があるからこそ、
主人公の少女と同級生の交流が
人間らしさの表現を際立たせている。
現在も世界のどこかで起きているかもしれない。
そんなことを考えた。
I haven’t seen the previous work.
In an era when individuals did not have tools to speak out, as they do today,
it’s a stark reminder of how people could do as they pleased to some extent.
As Germany’s invasion gradually approached,
initial promises were easily and inexplicably abandoned,
and Jewish people were suddenly abducted and transported from the streets.
I imagine the way they were transported was also quite rough.
The abduction, detention, transportation, and execution
appear systematic at first glance,
but the sheer crudeness of it all is painful to watch.
By depicting these events in raw detail,
the interactions between the protagonist, a young girl,
and those who hide her stand out even more.
When I imagine it taking place in the same world as Jonathan Glazer’s film The Zone of Interest,
it forces me to think about the duality of human nature.
This work, however, is the complete opposite.
It’s because of the negative aspects that
the interactions between the young girl and her classmates
stand out as an expression of humanity.
It made me think: this might still be happening somewhere in the world today.
リトルバード
1942年フランスを舞台に、ナチスの侵攻で身を隠すことになったユダヤ人少女サラと、彼女を助けた同級生をみせる話。
ワンダー 君は太陽のアナザーストーリーという位置づけで、時代も違うしどういうこと?と思ったら、オギーをいじめて転校していったジュリアンのばあちゃんの話しですね。
ジュリアンにばあちゃんが自身の過去を語る体でみせていくものの、ワンダーとは全然関係なくて、営業的意味合いでアナザーストーリーということにしたのかなと…。
ポリオの後遺症で脚の不自由なトゥルトーと呼ばれる同級生に助けられ、彼の家の納屋で暮らすサラと彼の交流をみせると共に、非情な同級生ヴィンセントの振る舞いをみせる展開で、ちょっと出来過ぎだしもののけ姫かよ!な展開も…。
しかしながら、当時生き残ったユダヤ人たちは奇跡的とも感じる数奇な運命を辿って来た訳だし、物語としてとても面白かった。
ただ、実話ベースの話しと比べるとどうしてもぬるいのでこの評価。
「ワンダー 君は太陽亅を観ていなくても楽しめる
本作は「ワンダー 君は太陽亅のアナザーストーリーという位置づけではあるが、ワンダーを観ていなくても充分に楽しめる作品だった。
主人公を命懸けで助けたいじめられっ子の少年と同じ名前をつけられた孫が、退学になるレベルのいじめっ子であるという設定には妙なリアリティがある。
スケッチブックや鳥の木彫り等を伏線として巧みに使っている一方で、狼が都合良く助けてくれる点や、恩人の少年が命を落とす際の不運の重なり方など、展開の廻し方には緻密と安直が併存しているように思える。
全体的には優れた演技・演出と素直に感動できるストーリーを持つ良作であり、観て良かったと思える作品だった。
自分に恥じない生き方をしていれば‼️❓いつも心は太陽だ‼️❓
ナチスのユダヤ人迫害は、ナチス独自だけで無く、多くのドイツ人やフランスをはじめとする欧州の人たちも加担していた、でも、ユダヤ人を命を賭して守る人たちも多くいた、その助けで生き延びた老婆が、いじめで退学した孫を諭して更生させる物語。
現代でも、そんな構図は、軽重に関わらず、綿々と続いている。
多くの人は損得を指針として生きているが、自分は自分に恥じない生き方をしてきたつもりだ、命まで賭けるわけでは無いけれど、ただ、損ばかりしてきたけれど、いつも心は太陽だ、後悔はしていない、この映画を観て、自分の人生は間違いでは無い、そう励まされたような気がした。
自分の不利益を顧みず人助けをすると、心は豊かになり、精神が清浄になる、改めて、再認識しました、有難うございました。
いやー、久しぶりの良作に感動。
勇気と人間愛
全105件中、61~80件目を表示