「選択を迫られる機会は誰にでも訪れる」KKKをぶっ飛ばせ! 耶馬英彦さんの映画レビュー(感想・評価)
選択を迫られる機会は誰にでも訪れる
1968年に黒人解放運動の指導者キング牧師が暗殺された。本作品は1971年の話だから、その3年後のことである。アメリカ映画ではなくイギリス映画というところが変わっている。KKKについては知らない人はいないだろうから、差別の歴史というよりも、サバイバルアクションに重点を置いた作品である。
それにしても内臓系に耐性のある姉弟である。腸には食べ物が詰まっていることもあって、かなり臭いだろうに、平気で把んだり引っ張り出したりする。グロテスクな表現が好きな監督のようだ。睾丸の膜は白で正解だと思うが、中身は白くなかった気がする。見たことないけど。
グロさにインパクトがあるだけで、作品としてのレベルはあまり高くない。アクションも妙な間があったり、無用な会話で受けなくてもいい反撃を受けたりする。上映時間が短いから最後まで観ていられるだけだ。
こんなふうに銃を扱えて反撃できる人はまだいい。KKKに迫害されても、反撃できない黒人が大半だったと思う。あくまでも非暴力を貫いたキング牧師が観たら仰天する作品だ。数人を殺したとしても、差別し迫害する人間は後を絶たない。反撃するか、非暴力を貫くか、選択を迫られる機会は誰にでも訪れる。
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