「カルトと性欲」ビリーバーズ バラージさんの映画レビュー(感想・評価)
カルトと性欲
原作は連載時にちらっと読んだような気がするが、そこが目的で映画を観たわけではなく、ヒロイン役の北村優衣がヌードになってかなりの大胆艶技をしてると知ったから公開当時に観に行ったのであった。北村優衣ちゃん、『世界ふしぎ発見』のミステリーハンターを何回かやってて、明るく元気な可愛い女の子で好感を持ってたんだが、出てた週にたまたま検索したらこの映画の情報に行き当たり、ええ!あの子が!?と驚いて、調べたら映画館でちょうどやってたのだ。
映画初主演というオペレーター役の磯村勇斗、オーディションで抜擢された副議長役の北村優衣、そして議長役でこれ以上ない怪演のバイプレーヤー宇野祥平の3人が素晴らしい。終盤まではほとんど3人芝居だが、全く見飽きずずっと見ていられる面白さだ。そして終盤のクライマックスは予想外にスペクタクルなシーンになっていく。原作のカルト宗教は時期的にオウム真理教がモデルの部分が大きいんだろうが(他に連合赤軍も一部モデルになってるらしい)、安倍元首相の事件が起きた頃に公開されたというのがなんともタイムリーというかなんというか。
前半はセクシーシーンはあまりなく、磯村勇斗が夢の中で見知らぬ女の脚に触るとか、北村優衣の海の水で貼り付いたノーブラTシャツとか、徐々に小出しにしていくのが良い。性欲が爆発した後半は素晴らしく、北村優衣の美しいヌードとセクシーシーンの乱れ打ち。R-15だからそこまででもないかと思いきや、単に絶妙なアングルでヘアを見せてないから18禁じゃなかっただけのようだ。セクシーシーンに、一昔前の日本映画にありがちなジメッとした湿っぽさや後ろ暗さが感じられないところも良かった。
北村優衣は、ふしぎ発見での明るく元気な無邪気っぷりからは想像もできない女優魂で、演技も上手くて素晴らしかった。磯村勇斗も今までただのイケメン俳優くらいにしか思ってなかったがとても良かったし、宇野祥平にいたってはほんとにそういう人にしか見えないほどの演技。カルト宗教と男女の性愛という2つの狂気がこれ以上ないほどに絡み合う快作でした。