「伝説のライブをこの環境で観られる最後のチャンスか?」ザ・ビートルズ Get Back:ルーフトップ・コンサート 清藤秀人さんの映画レビュー(感想・評価)
伝説のライブをこの環境で観られる最後のチャンスか?
まずは配信で観て、その鮮明な画像と4人の若々しい姿に感動した後、ようやく取れたチケットを持って追加上映を観るために近所のI MAXへ。そこでは期待通り、大画面と大音響によって伝説のロック・グループの最後のライブが収められていて、やっぱり、"ゲット・バック"では少しだけ劇場の床を足で叩いてしまった。多分、ビートルズ世代の中高年夫婦等に挟まれつつ。
ゲリラ・ライブの本番と前後を少しだけ映し出した劇場版では、本当に楽しそうに演奏する4人の姿が見られるが、配信版では彼らがなぜ分裂してしまったのかをリアルに追っている。だからやっぱり、配信と劇場の両方を観た方がいいと思うのだが、不思議なことに、そんな背景に関係なく、演奏し始めた途端、4人が一気にロック好きの若者たちに回帰していく姿に心を打たれるのだ。
ヨーコが側で見守る中、背中を丸めるようにしてギターを弾くジョン、小柄なジョージ、肌がピカピカのリンゴ、そして、誰よりもカリスマがあるポール。こんなにもクリアに、伝説のグループの演奏風景と、その立ち姿が、この環境で観られるチャンスは恐らく2度とないだろう。これは、全世代に贈るライブ・ドキュメントだ。
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