「神々の後出しジャンケン」シャザム! 神々の怒り 加田瀬恋さんの映画レビュー(感想・評価)
神々の後出しジャンケン
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前作『シャザム!』の続編ではあるものの、「シャザム」の作品ではない。通称DCEUと呼ばれていたこの世界観は終わりを迎えるようだが、変に世界観を意識し過ぎた欠点が現れている。それは、ワンダーウーマンの登場である。
「シャザム」の名を冠した作品であれば、その物語を締めくくる主役はもちろんシャザムでなければならない。しかしながら、本作ではシャザムの死をもって物語が終着した矢先、ワンダーウーマンの登場と活躍によってシャザムが復活したのである。この展開では、シャザムの努力が第三者によって帳消しにされただけではなく、シャザム自身の強さが薄れ、やや無理矢理に世界観を存続させたような印象を受ける。これはまさに、「デウス・エクス・マキナ」の悪例である。
このように本作では、シャザムの価値が世界観の中に埋もれ、終末に向かう世界を支える道具の一つと化している。物語自体は非常に楽しめたため、今後、シャザムがDCUのキャラクターとしてどのように復活するかが楽しみである。
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