「【高齢女性カップルの密かな恋と引き裂かれながらも貫いた愛。剥き出しの愛が優しさにも狂気にも映る作品でもある。】」ふたつの部屋、ふたりの暮らし NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【高齢女性カップルの密かな恋と引き裂かれながらも貫いた愛。剥き出しの愛が優しさにも狂気にも映る作品でもある。】
- 冒頭の二人の少女がかくれんぼをしているシーン。途中で一人が居なくなり、不気味なカラスの鳴き声が響く。この後のストーリー展開を暗喩している。-
◆感想
・アパートの向かい合う部屋に住むマドレーヌ(マルティーヌ・シュバリエ)とニナ(バルバラ・スコバ)は長年、密かにレズビアンとして関係性を築いて来た。マドレーヌは不幸な結婚生活を送って来たが、その夫が他界し、二人はイタリアヘ移住する計画を立てていたが・・
- マドレーヌを襲った脳卒中。マドレーヌの娘は介護士を雇う。マドレーヌは口も効けないのであるから。だが、ニナは介護士を追い出す為にあらゆる手段を駆使する。そして、再後半にその報いを受けるのである。-
・二人の愛に気づいていた娘が行ったマドレーヌを施設に入れると言う選択。
- マドレーヌの部屋に合鍵で頻繁に侵入するニナ。愛だとは言え、遣り過ぎではないかなあ、と思ってしまったよ。-
・マドレーヌを演じたフランスの大女優、マルティーヌ・シュバリエの"眼"だけで、喜怒哀楽を演じた姿は素晴らしかったなあ。
<ニナ、娘夫婦、介護士の各々の常識と非常識が交差するシーンは恐ろしくも切ない。ニナの剥き出しの強引な愛情が優しさにも狂気にも見える。マドレーヌが覚えていたニナの携帯電話の番号を病院から掛けるシーン。駆け付けたニナがマドレーヌを連れて戻った部屋は介護士の息子により、荒らされており、貯めていたお金も取られている。呆然てするニナの手を取ったマドレーヌは想い出の曲に合わせて、乱れた部屋の中で幸せそうな表情で踊る。二人に取って、幸せとは何だったのかを考えさせられた作品。>
ありがとうございます!
私には狂気が前面に感じ取られて見ている間も落ちつけませんでした。
それと予告編と本編のギャップがかなりあり、イメージが違ったことも大きかったのかもしれません。